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ハイリスク薬とは
医学の進歩によってかつては死の病と言われたがんも早期発見ができるようになり、そのため完治するケースも多くなってきました。他にも高血圧や高脂血症などが原因で突然死を招く脳梗塞や心筋梗塞などの病気も、定期健診などが行われることにより異常が早く発見され、
突然死をすることがないように薬を服用したり生活習慣を改善するなどの方法で予防をすることができるようになりました。そのような薬も日々研究が重ねられ、様々な症状に対応できるよう、また一つの病気でも個人差によって症状が違い、また体質も違うことから多種多様な薬が開発されています。
薬にはコンビニエンスストアで誰でも購入できるもの、町の薬局やドラッグストアなどで薬剤師さんに相談して購入できるもの、医師に処方が必要なものなど、その薬によって入手方法が変わってきます。これらはどのような差があるのでしょうか。薬は病気の症状を和らげたり治療に導くものである反面、
毒の面もあり、正しい方法で服用しな買ったり、体質に合わなかったりすれば副作用が生じる場合があります。どんな薬でもそれは同じなのですが、強い効果がある薬ほど副作用も強く出るのです。そのリスクが比較的少ないと、コンビニやドラッグストアでも購入することができるようになっています。
また、リスクが高いものは医師のものとでしか処方してもらえないという仕組みになっています。中でもリスクが高い薬は「ハイリスク薬」として厚生労働省が定めたものがあり、それに基づき日本病院薬剤師会が業務ガイドラインを作成しています。
ハイリスク薬の主な種類?
厚生労働科学研究所が示したハイリスク薬には投与量に注意が必要な薬、休薬期間や服用期間に管理が必要な薬、他の薬剤との併用禁忌や相互作用に注意が必要な薬、特定の疾病がある人や妊婦への服用が禁忌である薬、重篤な副作用が起こる可能性があり定期的な検査が必要な薬、
心停止や呼吸抑制に注意が必要な薬、投与量が単位で示されていたり漏出により皮膚障害を起こす可能性がある注射剤が上げられています。そしてたとえばそれはそのような病気の治療薬かというと、抗がん剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤、ジキタリス製剤、
テオフィリン製剤、注射によるカリウム製剤、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤、抗HIV剤が上げられます。そして他にも治療有効域の狭い薬や、中毒域と有効域が接近し投与方法や投与量の管理が難しい薬など薬剤業務委員会によって定められた薬もあります。
ハイリスク薬に対する業務の方法
薬剤師としては医療チームの一員として石や看護師などとコミュニケーションを取りながら薬の専門家として貢献し、患者情報、臨床所見、使用薬剤に関することなど十分な情報と知識に基づいて薬学的管理を行うこと、薬の内容、服用方法、注意事項など服用する薬について患者に説明をするとともに説明書を、
利用し患者に理解を深めてもらうことが大切であることがガイドラインには示されています。そしてそれらの指導内容や薬歴などについて正確に記録をとることが必要で、それをもとに問題点があれば医師に伝えたりして薬学的管理を行うようにすることもガイドラインに示されています。
薬歴など記録の書き方
ではその記録はどのような書き方になっているのでしょうか。記録はいくら正確に書かれていても人によって書き方が違っていれば読み取ることが難しいこともあるので、業務支援ソフトを利用して記録をとります。そのソフトに記入する必要な項目は主観的情報、客観的情報、分析・評価、計画の4つでその頭文字を取ってSOAPといわれています。
主観的情報の欄には患者さんまたは家族からの主訴、相談、要望、体調変化などの自覚症状、生活環境、嗜好などを書きます。客観的情報の欄には患者さんの体質や病歴、アレルギーの有無、妊娠の有無、家族の病歴、併用薬などの情報のことを書きます。分析・評価のところには薬剤師の判断や選択で、相互作用や重複作用、副作用、
コンプライアンス上の問題点などを書きます。計画の欄には医薬品の選択、患者さんへの指導事項や情報提供、医師への問い合わせや情報提供の内容、調剤上の工夫で指導したことや情報提供をしたこと、調剤方法の変更などしてあげたいこと、次の薬剤師にしてほしいことなどを書きます。
これらの薬歴を詳しく正確に記録することで、他の薬剤師や医師など医療関係者のだれが見てもわかるようにし、患者には処方された薬の正しい服用方法を説明しできるだけリスクがないようにします。
薬剤師のための業務支援ソフト
最近では薬剤師の働く場所葉薬局や病院、ドラッグストアだけでなく在宅医療の場などでも活躍しています。患者さん情報や薬についての記録をするソフトウエアはどのような現場においても役立てることができ、薬剤師の業務の効率化を図るうえでも必要なものとなっています。
薬剤師の業務支援システムには、訪問薬剤管理指導支援システム、薬剤情報提供システム、医療品集作成システムなどもあります。また患者さんに渡すお薬手帳に貼ってもらうラベルを作成すrソフトなどもあります。そしてこれらのソフトを使用して記録をする場合には、
修正履歴やバックアップ体制が精微・確保されていることや薬剤管理指導料の算定にあたり、適時薬局から請求部門への連絡を行い、ハイリスク薬の持参薬があるときのみ必要に応じて症状などの記録を添付すること、ハイリスク薬が処方される場合の過護防止対策として各種警告システムを構築することがガイドラインに示されています。
ハイリスク薬に対する業務のまとめ
投与量や併用薬などを間違えれば重篤な状態になる可能性があるハイリスクを扱うときに、ます患者さんの情報を把握し、文書を利用して患者さんへの詳しくわかりやすい説明をすることがとても大切なことになります。
そしてそれらのことソフトを使うなどして他の薬剤師や医師なども見やすいように正確に記録し、その記録が失われないようなバックアップ体制を整えておくことも大切です。
さらに薬剤師としては医療技術の進歩に応じ研修を受けるなどをして業務を適正に遂行することも必要なのです。