英語での処方箋の書き方
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日本の処方箋の書き方は世界的に見てスタンダードではありません。あまり行き来がなかった時代であればそれでも問題になることもなかったでしょうが、今や日本とてグローバル化しています。
家電リサイクルとは
日本から海外に渡航することもごく普通のこととなってきていますし、日本に海外から人が訪れることも、中央のみならず地方においてすら珍しいことでなくなってきました。日本自体も国土交通省が先導し、「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開しているのですから、
それなりに「世界の人でも解りやすい」といった表記に変えてゆく必要はあるでしょう。処方箋についても「誰が見ても理解しやすい」ことが求められています。旅行保険も発達していますので、海外で病気になったり、
けがを負った時に、経済的なことを心配することなく、気軽に受診できるようになっています。海外から日本に来る人、日本から海外に行く人、それぞれが戸惑わないで済むような配慮が必要となってきています。
日本語と英語の処方箋の大きな違いとは?
日本の処方箋はまず一日の量を記載します。その次にそれを何回に分けて服用するのかといったことが書かれます。日本でペルジピンを1日3回に分けて服用し、10日分処方する時には、「ペルジピン 60mg 3×1(n) 10日」となります。
しかしこの書き方のように1日量書いて、「3×」もしくは「×3」と書けば、それを60mgを「×3」と誤認しないとも限りません。60mgを3セットの180mgを1回と勘違いする可能性もあります。これは大変危険な書き方なのではないかと言われ始めています。
もちろん「10日分」と書かれているのですから、それから考えるとおのずと「勘違いだ」ということはわかるのですが、その判断を処方された側にゆだねるのは、少々乱暴です。英語式の書き方であれば「ペルジピン(20) 20mg 朝 昼 夕食時、10日分」と書かれるか、
「ペルジピン(20) 1T 朝 昼 夕食時、10日分」と書き、「ペルジピン20mgを1Tとして、朝昼晩の1日3回服用し、10日分処方しています。」ということが表されています。「1回量」が、まず明確になっていることで、1回量を誤認することはありません。
危険なのは1回の量を誤ることです。よもや回数を間違えたとしても、その薬に効力が弱まる、もしくは役に立たなくなってしまったことにはなりますが、多量に服用したことによって起こる危険は極力回避できるのです。
具体的な英語の処方箋表記
日本の処方箋で細菌感染症の治療に用いられているアモキシシリンを500mgを2回に分けて1回分を250mgとして10日分処方するなら、「アモキシシリン500mg ×2(もしくは2×1) 10日分」となります。これを英語の処方箋に直すと
「Rx Amoxicillin susp (250mg/ 3ml) Sig. 3/5tsp po BID for 10 days Disp. 2oz Refill ϕ」となります。これは「液剤(suspはsuspensionの略)を1回3ml(Sigが1回量を表記する略。250mgは含有)を1として1日2回(BID)を10日分( for 10 days)処方していますという意味になります。
英語の処方箋では、必ず液剤なのか錠剤なのかといった薬の形状や、その濃度を薬剤の名前の後ろに付けます。tspは5mlを表すTeaspoon の略です。4 tsp と書けば20 mlになります。またozはオンスのことですので、全体で60オンス処方していますよということになります。
ϕはno(無し)ですので、「詰め替え(Refill)はありません」ということを表しています。Sig.以下が「用法」となっていますので、患者としては大変理解しやすくなっています。英語の処方箋では「すべきこと」が明確になっていることから、「してはならないこと」もまた明確になっているということがわかることでしょう。
英語の処方箋の見方
英語の処方箋では、1段目のRxの後に、薬の名前が書かれ、括弧内に濃度と成分密度が書かれます。2段目のSig以下には1回量が書かれ、その後に1日何回内服かが続きます。ここまでが「用法」になりますので、これはプリントされて患者に渡されます。
3段目のDisp以下には、何日分処方するかが書かれ、4段目は薬がなくなった場合、再度薬局でもらえる回数は何回かといったことが書かれます。最後にサインと日時が記入され、これが処方箋の一連になります。1回量と1日何回内服するかの書き方が少々日本人には分かりにくく、
一日1回5mlの内服なら「5 ml po qD」と書かれ1日2回の内服なら「5 ml po BID」、1日3回の内服で「5 ml po TID」となります。頓服の時は「5ml po prn」で、就寝前の内服であれば「5 ml po qHS」です。「朝晩内服」のような書き方はあまり見られず、12時間ごとならば「q 12hr」と明確に指示しています。
なぜ日本の処方箋は世界と違うのか
日本の処方箋が誤解を招きやすいものだとその危険性を指摘されながら、なぜこのようなものになっているのか、これは日本の西洋医学を学んだ経緯にあります。日本は鎖国の時代であった江戸時代中期に、オランダの書物を介してドイツ医学を学んでいました。
当時は世界的に見ても、他の欧米諸国を研究成果などの面からも圧倒していたのはドイツです。その後、戊辰戦争下においてイギリス医学に触れる機会を日本も得ます。「治す」ということに目を向けた臨床重視のイギリス医学に日本の医師たちもカルチャーショックを受け、学びたいと切望します。
しかしまだ医学を「学問」として受け止める風潮が強かった日本において、すでにドイツ医学を取り入れる方針が決定していたため、東大が牽引者となってそのままドイツ医学が主流となっていったのです。いまでも日本で使われている処方箋の書き方は、ドイツ式医学から学んだものです。
そのまま世界スタンダードからは取り残されてしまいました。ドイツすら現在は英語式の処方性に変わっている今、日本だけがこの書き方に固執している格好になっています。また在庫管理の面から言って、確かに1日の量で処方を行うと薬局などは容易になります。
しかし「安全性」を重視すべきではないかとされています。日本のこの処方箋の書き方がスタンダードになることは、今後もありえないことです。日本の国民の安全性の確保に加え、世界中の人に「訪れやすい国」という感想を持ってもらうためにも、日本が書き方を変えることが必要となってきています。
薬歴の書き方など色々な書き方は下記の記事も凄く参考になります♪
タイトル:ハイリスク薬の薬歴の書き方