建設業の労働保険申告書の書き方

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  1. 1.労働保険申告書とは?
  2. 2.建設業の労働保険申告書の書き方
  3. 3.労働保険申告書の提出における注意点

 


労働保険申告書とは?

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労働保険申告書は、1年度分の労働保険料の概算額の申告・納付と、前年度分の労働保険料の確定額の申告・納付を行うために使用する書類です。日本国内の個人と法人は、労働者を1名でも雇用した場合には労災保険への加入が義務付けられており、

 

さらに雇用した労働者の雇用期間が31日以上で、1週間の労働時間が20時間以上でになる見込みの場合は雇用保険への加入が義務付けられます。もし、立ち上げる会社が労働保険の適用対象となった場合は、労働基準監督署や公共職業安定所(ハローワーク)に保険加入の手続きを行う必要があります。

 

そして、保険加入が成立したら、その日から50日以内に保険関係の成立日から年度末(3月31日)までの概算保険料を労働保険申告書をつかって申告・納付します。次年度以降は毎年6月1日から7月10日までの間に、労働保険申告書をつかって前年度分の労働保険料の精算を行うとともに、4月1日から翌年3月31日までの1年度分の概算保険料の申告と納付を行います。

 


建設業の労働保険申告書の書き方

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労働保険が適用される事業には一元適用事業と二元適用事業があります。一元適用事業とは労災保険と雇用保険の保険料の申告と納税を一緒に取り扱う事業で、二元適用事業はこれら2種類の保険料の申告と納税を別々に取り扱う事業のことです。

 

建設業は農業、林業、漁業などと共に二元適用事業に分類されているため、労災保険に関する手続きと雇用保険に関する手続きを別々の書類で行わなければなりません。建設業者の労働保険申告書の書き方は、大きく分けて3つのステップに分かれます。

 

第1のステップは一括有期事業報告書の記入です。同じ事業主によって実施された建設事業の各事業が、労働保険に加入した事業所が立地している都道府県内と、これに隣接する都道府県で実施されたものであり、事業規模が概算保険料で160万円未満かつ請負金額が1億9,000万円未満である場合は、法律上で一括有期事業として取り扱われます。

 

労働保険料の申告では、4月1日から翌年3月31日までに実施が終了した一括有期事業全てについて、事業の種類に分けて一括有期事業報告書に記入していきます。報告書には1つの工事ごとに、事業の名前、実施期間、請負金額とその内訳、労務費率、賃金総額を記入していくのが原則ですが、

 

請負金額が500万円未満の工事については事業の種類ごとにまとめて1件として記入することができます。第2のステップは一括有期事業総括表の作成です。前のステップで作成した一括有期事業報告書の内容から事業の種類と事業開始時期ごとに請負金額と賃金総額を転記した後、

 

賃金総額に労災保険料率を乗じて保険料の金額を計算して、所定の欄に記入していきます。また、2007(平成19)年4月1日以降に開始された各工事の賃金総額の合計から所定の割合を乗じて一般拠出金の金額の算定も行って記入します。第3のステップが労働保険申告書への記入になります。

 

まず、一括有期事業総括表の内容から、賃金総額と一般拠出金の対象事業の賃金総額を保険料・拠出金算定基礎額と呼ばれる部分に転記し、保険料額と一般拠出金を確定保険料・一般拠出金額と呼ばれる部分に転記し、その後他の欄の記入を行っていきます。

 

上段から順に記入方法を述べると、常時使用労働者数の欄には1日平均の人数を記載します。保険料算定基礎額の見込み額と概算保険料額には、本年度の賃金総額の見込みが前年度の賃金総額の半分を下回るか、2倍を超える場合は別途計算して金額を記入しなければなりませんが、

 

その他の場合は前年度分と同額の金額を記載します。延納の申請の欄には、1年度中の保険料の納付回数を記入するようになっています。記入可能な数字は「1」か「3」で、3回に分けて納付する場合は期別納付額の欄に各納期ごとの納付額を計算して記入しなければなりません。

 

このとき、計算によって1円もしくは2円の余りが出た場合は、第1期の納付額にその余りを加えます。最後に、事業の種類の欄には建設事業などと記入し、事業所の郵便番号、連絡先電話番号、住所、名称、事業主の役職名と氏名を、領収済通知書の内訳の欄に労働保険料、一般拠出金、

 

今期の納付額をそれぞれ記入し、事業主の氏名の横に押印をすれば書類の完成です。なお、領収済通知書に金額を記入する場合は各項目の一番左に円記号の記入が必要なので、忘れないようにしましょう。

 


労働保険申告書の提出における注意点

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できあがった労働保険申告書は、労働基準監督署、労働局、銀行などの金融機関、郵便局、社会保険・労働保険徴収事務センターのいずれかに提出しなければなりません。保険料の支払い義務がある事業所に送られてくる労働保険申告書は、3枚1組の複写式となっているので、

 

記入終了後に2枚目と3枚目の上部だけをミシン目に沿って切り離し、残った部分を提出します。切り離したものは事業主の控えとなるので、大切に保管しておきましょう。建設業者が労働保険料の申告書類の提出を行う際には書類提出先の選択に注意する必要があります。

 

建設業者は労働保険申告書に加えて、一括有期事業報告書と一括有期事業総括表の2種類の書類の提出も必要となっていますが、これら2種類の書類は労働基準監督署と労働局のみが受け付けています。他の場所に申告書類を持ち込むなどで余計な手間をかけなくても良くなるように、

 

建設業者の労働保険料の申告手続きは、管轄の労働基準監督署、もしくは管轄の労働局のどちらか一方で行うと良いです。実際に申告する際に口座振替を選択していない場合は、申告書類の提出だけでなく労働保険料と一般拠出金の支払いも一緒に行わなければならないので、現金納付をする場合はお金を忘れないようにしましょう。

 

なお、期限までに申告と保険料の納付を行わなかった場合は、納付期限からの経過日数に応じた延滞金の支払い義務が発生します。さらに、滞納が長引くと督促状が発送され、書面に記載された日付までに労働保険料を納付しなければ、

 

最悪の場合には財産の差し押さえなどの処分が出ることがあります。労働保険に関する手続きを滞り無く行うことは事業主にとっての義務であるため、納付期限までには必ず労働保険料の申告と納付を済ませましょう。

 

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