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お祝いの言葉、祝辞
祝辞とは、国語辞典で引いてみると、端的に「お祝いの言葉」とあります。主に結婚式のスピーチなどが知られ、祭典などの催し物の際に述べられるもの、学校の入学式や、誰もが記憶に残っているだろう、学校の卒業式での数々のスピーチがあります。
これらのスピーチは、どれもが主役の誰かや、あるいは催しごとに対してのお祝いの気持ちを表現するものだというのは共通しています。ですが、言葉を述べる人たちそれぞれの立場や、言葉を贈る側と贈られる側との関係によっても、そのことばの内容や、はたまた表現の形式なども変わってきます。
たとえば、結婚式のスピーチと一口に言っても、いち友人から新郎新婦へのお祝いの言葉であれば、ある程度くだけたものでも構わないのです。ですが、これが友人代表となれば重みが一段階増し、会社の上司であればさらにもう一段、仲人のスピーチは徹底した礼儀作法が求められることになります。
親族同士のお祝いのことばであれば、親族間での独特なマナーなどもあり、また難しくなってきます。といったふうに、その人の立場や、式の中での位置づけによっても話すべき内容、ことばの使い方は異なってきます。当然のことながら、その祝いの言葉が述べられる場所がどのようなものなのかも大きくかかわってきます。
卒業式の祝辞
卒業式の祝辞には、いくつかの種類があります。それぞれの基本マナーがありますので、式で行われる順番に沿って見ていきましょう。まずは、来賓の方々が読み上げる祝辞があります。PTA会長や、校長先生など、大人たちが卒業生に向けて述べるお祝いの言葉です。
県知事や町長が祝辞文だけを送付してくれている場合もあり、代理で先生が読み上げてくれることもあります。この祝辞を担当することになった場合、たくさんの卒業する子供たちを前にして、どうしても気合が入ってしまいがちです。ですが、長々としたスピーチは子供たちが眠くなる原因にしかなりません。
祝辞の内容は3分にまとめるのがベストだとされています。時候の挨拶から始まり、わかりやすい平易な言葉で、中身のある内容をお話できるよう、情報収集をしながらまとめましょう。次に、在校生から卒業生へ向けた送辞です。これは、在校生が去りゆく卒業生に向けたはなむけのことばになります。
基本的に、答辞よりも長い文章になることはよくないと言われています。内容は挨拶から、というのは来賓の方々の祝辞と変わりありません。文章を長くする無駄な修飾語は避け、卒業生との素晴らしい思い出や、門出へのお祝いの言葉を端的に表現できるよう、文章構築を整理しましょう。先生と打ち合わせをし、卒業式当日までに練習を重ねておく必要があります。
最後に、卒業式のメインとなるのが卒業生代表が読み上げる答辞です。式に来場してくださった皆様、保護者、恩師、在校生の後輩たちに向けての感謝の言葉を表現します。その後、卒業後の将来へ向けての抱負を語り、先生や保護者へこれからもよろしくお願いします、と伝え、締めのことばにする、という構成が一般的です。
こちらも、先生と綿密な相談を重ねたうえで、冗長にならないよい挨拶文に仕上げておく必要があります。どの祝辞にも言えるのは、あらかじめ準備しておくことがもっとも大切だということです。スピーチの読み上げは、めったにすることではありませんから、文章の内容にしても、読み上げにしても、推敲と練習が不可欠です。来賓の方々のスピーチも、家族や知人を前に読み上げのリハーサルをしておくのがいいでしょう。
祝辞に使われる用紙と書き方
祝辞に使われる紙は、なんでもいいわけではありません。祝辞用紙というものが販売されてます。祝辞といえば、包まれた紙を広げて、中からじゃばらに折られた紙を取り出す様子が思い浮かぶでしょう。あのように、すでに折られている紙が封筒付きで販売されているのです。罫線のないもの、あるものが販売されていますが、どちらでもかまいません。
罫線があるほうが書きやすいでしょう。書き方にもマナーがあります。まず、もっとも正式なのは、真っ黒な墨を使って筆でかくことです。あるいは、筆が苦手な場合には、筆ペンで書きましょう。ちなみに、表に「答辞」「送辞」などのタイトルも書きます。遠くから見られないとはいえ、自分の汚い字に我慢がならないという人は、いっそ得意な知人や、業者に代筆を頼んでしまうのもひとつの手かもしれません。
といっても、筆耕業者に依頼するとなかなか値が張りますが。さて、用紙の使い方ですが、紙にはつるつるしているほうとざらざらしているほうがあります。これは、つるつるしているほうが表面ですので、こちら側に文章を書きましょう。折り目よりも余白が多めになっているほうが最初のほうで、余白が少ないほうが終わりのほうになります。じゃばらを一枚めくったところから、挨拶を書き始めます。
最後から二枚目のところに、卒業年月日と氏名を書きいれるようにします。文章が足りず、紙が余るような事態は避けたいところです。避けたいところですが、万が一紙が余ってしまった場合は、切ったりはせずに、そのまま折り込んでおきましょう。当然何度も別の紙に鉛筆で下書きをして、それを見ながら、祝辞用の紙に清書していくことになります。
もしも書き損じてしまったら、潔く書きなおすのがいいでしょう。一応裏技としては、間違えた部分の用紙を折り目から切り取り、他の紙と継ぎはぎしてしまうという方法もないことはないです。ですが、手間もかかりますし、修正跡が目立ってしまうとやはりよくないので、避けたほうが無難でしょうね。
書きあがった祝辞を包むものですが、封筒タイプもあります。こちらでも大丈夫です。よく見かける紙でくるむタイプのものですが、これは少し右寄りに祝辞を置き、右左と折りたたみ、最後に上と下を折ることで祝辞全体を包むようにします。最後に、表書きにタイトルを書いて完成です。
当日はこれを開いて読んで構いません。ですが、読むつもりで壇上に立つと、どうしても声が平板になりがちです。できるだけ暗記するほどに読み込んで、心を込めて読めるように準備しておいたほうがよりいいでしょう。
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