雑役・雑損失等の内訳書の書き方例

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会社の経営や事業活動は、年に1回以上の事業年度で決算をして、法人税や法人住民税、消費税の確定申告が必要です。

 

  1. 1.税金の申告について
  2. 2.申告書の作成について
  3. 3.勘定科目内訳書の例文
  4. 4.税金の還付について

 


税金の申告について

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事業年度終了から、2か月以内に消費税の確定申告、原則として2か月以内に法人税や法人の都道府県税、市町村税の住民税について確定申告書を作成します。法人税や法人住民税について、原則として2か月以内というのは、延長申請によって1カ月間申告期限を延長し、決算日から3カ月以内に申告することも可能です。

 

消費税は預り金なので、申告期限の延長制度はなく、必ず2カ月以内の申告が必要です。会社法で、会社の決算確定のための定時株主総会は、事業年度終了の日から3カ月以内と定められており、2か月では決算を確定して、株主の承認を得るのに日数が不足する場合があるためです。

 


申告書の作成について

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会社の税金の申告では、法人税の申告書には決算書などで内訳を明らかにする必要がありますが、消費税や法人の都道府県税、市町村税などの住民税については、原則として申告書だけを提出すれば、決算書等の添付は必要ありません。(ただし、医療法人の都道府県税の申告など、別途、決算書類等の提出が必要な場合もあります。)

 

事業年度は、6カ月や3カ月などでも構いませんが、決算書類だけでなく、税金の申告書の作成などの事務負担も大きいため、会計上は、4半期決算や半期決算をしても、税務上は年1回とするのが一般的です。

 

確定申告書には、計算の基礎となる決算書の内容として、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書等と勘定科目内訳書を添付します。資産や負債など、貸借対照表の勘定科目については、すべて勘定科目内訳書を作成するほか、損益計算書についても、

 

役員報酬および人件費、地代家賃、雑役および雑損失等については勘定科目内訳書の作成が必要です。役員報酬は、役員の個人ごとの明細を、地代家賃は、支払先と金額の内訳を、雑役、雑損失等の内訳書の書き方は相手先と取引の内容、金額がわかるように記載します。

 

雑役、雑損失等は、会計上は営業外損益、特別利益、特別損失のそれぞれの区分で計上する可能性があるので、雑役が2つや雑損失が2つになる場合も起こり得ます。その場合は、雑役(営業外)、雑役(特別利益)、雑損失(営業外)、雑損失(特別損失)のように、全く同じ勘定科目ではなく、区別ができるようにしておきましょう。

 

文字通り”雑”なので、他の勘定科目の区分に該当しない取引はすべて、雑役や雑損失等に計上しています。会計上、営業外の取引や、非経常取引として特別利益、特別損失のそれぞれの区分で、特定の勘定科目に該当しないものをこの科目に計上します。

 

たとえば、売上等の本業の収入のほかに家賃収入がある場合に営業外収入に計上することがありますが、取引の規模や金額が大きい場合には、営業外収入の中でも、家賃収入という固有の勘定科目を作ってしまうのがおすすめです。

 

雑役、雑損失等とは、”特定の区分に属さないものすべて”を含むので、できるだけ金額を大きくしないのがポイントです。ただし、補助金や保険金のように、普段から定期的に行われる取引以外の取引は、金額が大きくても雑役や雑損失に計上することがあります。
 

その場合は、内訳に取引の内容を記載しておくことで、税務署に対しても明快にしておきましょう。”その他一切”の金額が大きいほど、中身は何だろうと気になるものです。取引の相手先の住所、氏名、取引の内容と金額など、自分が逆の立場で書類を見た時に気になるであろうことは、聞かれる前に書いておくという視点が大切です。

 


勘定科目内訳書の例文

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勘定科目内訳書の例文では、取引金額が50万円以上のもの、税金の還付金や還付加算金など、税に関する取引はすべてを記載することになっています。たとえば、保険金を受け取った場合は、相手先の保険会社の住所と名称、火災保険や棚卸資産など、保証の内容を記載すると内訳が明快にできます。

 

補助金についても同様に、もらった相手の住所と名称、雇用の助成金や設備投資の助成金など、内容を記載しましょう。雇用関係の助成金や保険金などで、同じ取引で複数回にわたっている場合は、日付ごとに区分する必要はなく、取引の相手先、取引内容が同じものは合計金額で記載して問題ありません。

 

勘定科目内訳書の記載内容を明確にしておくことで、税務調査や税務署からの照会を受けるリスクを減らすことにつながります。また、賃貸収入や事務手数料収入のように、営業外や特別利益、特別損失に属する項目でも、定期的に計上するものは、勘定科目を雑役、雑損失ではなく、家賃収入や手数料収入のように、内容がわかる固有の勘定科目に区分するのも有効です。

 

勘定科目内訳書は、申告書の本体ではなく、申告書の添付書類ではないので、書き方がわかりにくいから税制の適用が変わるということはありませんが、内容が明快でない場合は、税務調査や、税務署からの問い合わせが来る可能性が高くなります。

 

そのため、自主的に取引の内容をわかるように、営業外収入や営業外費用、特別利益や特別損失については、雑役、雑損失等に限定せず、家賃収入や為替差益のように、特有の勘定科目に計上している部分についても、相手先と金額を明快にしておくのも効果的です。
 


税金の還付について

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税金の還付については、実際に還付金を受け取ったときに雑役に計上する場合と、予定納税などを支払った時点で、本来納付義務がなく、後日還付を予定しているものについては未収計上をしたり、仮払い経理をする場合があります。

 

未収金に計上したり、仮払い経理をしている税金の還付を受けた時は、会計上、雑役には参入せず、貸借対照表の資産科目から減算します。資産科目から減算した税金の還付金については、内訳の記載は必要ありません。この書類の目的は、雑役に計上した金額の内訳なので、計上していない取引までは記載を要しません。

 

還付加算金など、雑役に計上した金額と内容についてのみ記載します。勘定科目内訳書の記載内容を明快にしておくことで、税務署の調査やお問い合わせを未然に防ぐことにつながります。記載の内容を見て、他人に伝わるかどうかの視点で、記入することが大切です。

 

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