香典の礼状の書き方

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  1. 1.香典の礼状とは
  2. 2.香典の礼状の書き方のきまりと形式
  3. 3.香典の礼状の書き方の流れ
  4. 4.宗教による表現の違い
  5. 5.香典の礼状の書き方のまとめ

 


香典の礼状とは

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葬儀に参列していただいた場合のお礼状(会葬礼状)は、現在では葬儀の際に渡す場合がほとんどです。香典やお供物をいただいた場合には香典返しをしますが、香典返しは会葬礼状とともに手渡しすることもありますし、忌明けの頃に挨拶状(お礼状)を添えて送ることもあります。

 

また、郵送で香典をいただいた場合なども同様に忌明けに香典返しとともにお礼状を送ります。忌明けとは、故人の遺族や近親者が派手な行事などを避けて慎みこもる忌の期間を終了したことをいい、宗教により期間が異なりますが、例えば仏教ではその期間は四十九日となっています。

 

香典のお礼状の目的とは、故人の遺族が友人や知人に対して忌が開けたことを知らせることや、故人が生前にお世話になったお礼、葬儀の会葬のお礼、香典をいただいたお礼などを伝えることです。

 


香典の礼状の書き方のきまりと形式

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香典の礼状(挨拶状)には、句読点を用いないのが一般的です。その理由としては三つの説があります。一つ目は、もともと毛筆で書かれていた挨拶状であったため、現在でもその形式にのっとり句読点を使わないという説です。二つ目は、葬儀や法事が滞りなく行えるようにという意味を込めて、文章を区切る句読点を使わないという説です。

 

三つ目は、もともと句読点は、文章を読みやすくするための補助であることから、あらかじめ補助を入れた文章は相手に文章を読む力が欠けているという意味になり失礼にあたるという考え方から句読点を使わないという説です。また、香典の礼状は、一般的にはがき又は、はがきサイズのカード、二つ折りのカードを封筒に入れた形で送られることが多いようです。

 

通常は縦書きの文章で記載されます。はがきやカードで送られるのが一般的になっているため、はがきやカードでも失礼にあたるということは全くありませんが、さらに丁寧にする場合は、巻き紙の奉書紙と呼ばれる和紙を使用し、奉書封筒に入れます。どの場合であっても、不祝儀の封筒は不幸が重なることを避けるために二重封筒は使われません。

 


香典の礼状の書き方の流れ

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香典の礼状にはある程度決まった書き方や文章の流れがあります。仏教の忌明けの挨拶状を例にとって、順番に書き方を見ていきます。まず、書き出しですが「拝啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます」など、通常の手紙と同様にします。時候の挨拶を省略し、「拝啓」のみでも良いでしょう。続いて、最初に葬儀の会葬のお礼、香典などのお礼を伝えます。

 

「先般 亡祖父◯◯◯◯儀 葬儀に際しましてはご多用中にもかかわらずご会葬を賜り且つご鄭重なる御厚志を賜り有難く厚くお礼申し上げます」

 

この際、故人の名前の書き方は「故 ◯◯◯◯儀」、「亡祖父 ◯◯◯◯儀」、「弊社社長 故◯◯◯◯儀」、「弊社 代表取締役社長 故◯◯◯◯儀」というように表記します。次に、無事に四十九日が終わったこと(忌明けしたこと)を報告します。

 

「葬儀の際は取り込み中にて万事不行届きにて申し訳なく存じております
お蔭をもちまして◯月◯日に四十九日の法要を滞りなく済ませることができました」

 

続いて、香典の礼状とともに合わせて香典返しを送る場合はその旨を伝えます。

 

「つきましては供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたします 何卒ご受納賜りたくお願い申し上げます
 
茲に生前のご厚情に感謝申し上げますとともに、今後も変わらぬご指導ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」

 

そして、大切な一文として、本来は相手のところへ参上し、直接お礼と香典返しを手渡しするべきところを、略儀で書状での挨拶となったことを書き添えます。

 

「本来であれば拝眉の上お礼申し上げるのが本意ではございますが 略儀ながら書中を持ちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます」

 

最後に「敬具」で結び、日付と差出人名を入れます。頭語「拝啓」と結語「敬具」はセットで省略することも可能です。差出人については、住所を記載し、「喪主名」または「喪主名」と「親族一同」と記載します。また、社葬の場合は葬儀委員長の名前を先に記載し、次に喪主、親族の名前を続けます。

 


宗教による表現の違い

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宗教により、葬儀・法事の呼び方が異なるため、代表的な宗教を例にとって香典の礼状の表現の違いを見ていきましょう。仏教では、
 
「先般 亡祖父 ◯◯◯◯儀 永眠の際はご鄭重なる御厚志を賜り有難く厚くお礼申し上げます
 
お蔭をもちまして本日
 
  ◯◯院◯◯◯◯居士
 
四十九日忌法要を相営みました」
 
などと書き、戒名を記載する場合もあります。戒名を省略する場合は、最初の一文のみにすることも可能です。また、「四十九日の法要」を「満中陰の法要」と言うこともあります。次に、神式の場合です。
 
「先般 亡祖父 ◯◯◯◯儀 永眠の際はご鄭重なる御厚志を賜り有難く厚くお礼申し上げます
 
お蔭をもちまして五十日祭も滞り無く相済みました」
 
となります。神式では、十日際、五十日祭があり、一般的には五十日祭をもって忌明けとなります。キリスト教の場合はプロテスタントとカトリックがあります。プロテスタントの場合は、
 
「先般 亡祖父 ◯◯◯◯儀 召天の際はご鄭重なる御厚志を賜り有難く厚くお礼申し上げます
 
お蔭をもちまして召天記念会も滞り無く相済みました」
 
となります。キリスト教のプロテスタントでは、1ヶ月目に召天記念日があります。カトリックの場合は、
 
「先般 亡祖父 ◯◯◯◯儀 召天の際はご鄭重なる御厚志を賜り有難く厚くお礼申し上げます
 
お蔭をもちまして追悼ミサも滞り無く相済みました」
 
となります。キリスト教のカトリックでは、30日目に追悼ミサがあります。このように行事の呼び名が異なりますが、内容はあまり変わりません。また、はがきやカードに蓮の花がプリントされているものがありますが、仏教用なので注意しましょう。

 


香典の礼状の書き方のまとめ

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香典の礼状の書き方は、どの宗教でもほぼ決まった言い回しがあるため、あまり独自の言い回しなどをせず、従来の文章の形式にのっとって書くのが良いでしょう。宗教により異なる表現に注意すれば、それほど難しく考える必要はありません。通常の手紙などとは異なり、儀礼的な意味合いも強いため、どんな人にも受け入れられる文章にすることが大切です。

 

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