二元配置分散分析結果の書き方

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二元配置分散分析という統計手法が存在しています。この様な手法を用いる学問の分野は非常に多くありますが、はっきりとした結果で白黒つけることが難しい確率で判断する分野においては非常に有効活用されているものです。例えば心理学などでは差があることの証明としてこの様な分散分析の手法を使用します。また医学でも同じように分散分析によって特定の治療や介入に効果がみられるかどうかの判定を行うことになります。二元配置分散分析というのはその様な統計的な分析手法の一つを意味する言葉ですが、この考え方を説明するためにはよりシンプルな分散分析の考え方から理解して行くことが有効であると言えます。

 

  1. 1.分散分析とは何か
  2. 2.分散分析の結論と書き方について
  3. 3.二元配置分散分析の考え方について
  4. 4.分散分析が行うことが出来ること

 


分散分析とは何か

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分散分析とは検定の手法の一種です。取り扱うデータの種類や数によって使用する技法は異なりますが、最もシンプルなのは二つのデータに違いがあるかどうかを調べるために用いる方法です。細かい計算式は理論的には必要ですが、実際に活用する立場の人間であれば結果を求めてそれを読むことが出来れば十分です。

 

この分散分析は要因が一つだけの場合に使用する分析方法であり、データごとに発生するデータの散らばり(分散)が水準の違いによるものであるのか、それとも単なる誤差であるのかを数値で示すものであると言えます。具体例を挙げるとすれば、ある特定の症状に対する治療効果を見る場合に「Aという薬を使用した場合の結果」と「Bという薬を使用した場合の結果」を用意して、これらのデータを分散分析にかけるという方法をとります。

 

これは医学や心理学における実験手法であり、AかBのどちらかは全く効果がないとされているものである物を使用します。その上でAとBの全く差がないという仮説を立てて分散分析をします。これを帰無仮説というのですが、それを棄却するか採択するかという分析が分散分析の手法になります。

 


分散分析の結論と書き方について

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この様な分析を行った場合、その結果はF値と呼ばれる数値で判断することができ、次の様に書かれることが多くなっています。一般的には「5%水準で有意な差がみられた」が多いですが、「1%水準で強い有意差が見られた」という表現を使用して表現します。学術論文などではこのことを「P<0.05」あるいは「P<0.01」と言う表現もします。

 

これらはそれぞれ帰無仮説が正しい可能性は5%以下、または1%以下であるということを意味する言葉であり、この様な表現がそのまま例文となります。この言葉の意味するところは分散分析を行う際に仮定する「二つの変数に差はない」という前提が間違っていると否定するという点にあります。そのため無に帰る仮説という意味で帰無仮説と呼ばれます。

 

最もシンプルな分散分析ではこの様な計算が行われ、そこから求められた数字によって二つのデータの集合に違いがある可能性の程度を調べているものであると言えるのです。一般に医学や心理学では二つのデータが一緒の物である可能性が5%以下である場合に差があるという表現をします。その表現の仕方が「5%水準で有意な差がある」という言葉になるのです。逆に言えばp>0.05の場合には有意な差が認められないという表現が行われ、違いがあるとは認められません。

 

時として10%程度の有意傾向がある、という表現が使われることもありますが、非常に説得力に欠ける表現であると言えるでしょう。活かしながらはっきりとこれらの二つは違うものであるというためには1%水準での有意な差があることを説明することが重要になってきます。

 

これは二つのデータが同じ集団の物である、つまり差がないものである可能性は1%以下であると言っているものであり、二つは別物であるということを示しているのです。医学であればこの表現を持って効果が認められたということが出来るようになるのです。

 


二元配置分散分析の考え方について

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上記の基本的な分散分析は要因を一つとするケースであり、一元配置分散分析と呼ばれています。非常にシンプルな分析方法であり理解しやすいのですが、この要因の数を二つにしたものが二元配置分散分析です。これは二つの要因に対して異なる集団を用意することになり、それらの間での関連性を評価する分析になります。

 

前述の一元配置分散分析の例を使用すると、Aという薬とBという薬の二種類の効果に加えて年齢という要因を加えて効果を検討する場合にこの二元配置分散分析が利用されます。この様な二元配置分散分析では計算内容は非常に複雑になりますが、現在ではこの様な計算は全てコンピューターで行われます。そのため計算の手間を考える必要はありませんが、この様な計算から得ることのできる数値は基本的には一元配置の分散分析の結果と同様の物であると言えます。

 

この様な二つの要因で分類した集団間に差があるか否かの可能性について分散火を用いて判断するのが分散分析の手法であり、やはりF値と呼ばれる数値が求められます。その数値に基づいて帰無仮説であるデータの集団間に差がないというが棄却される課されないかを見れば良いのです。もしも棄却されるのであれば二つの要因で分類されたデータの集団間には何らかの違いがある可能性が高いと判断されることになります。

 

その時の表現の仕方も同じであり、「5%水準で有意な差がみられた」が多いですが、「1%水準で強い有意差が見られた」という表現を使用して表現します。しかし二元配置分散分析では一つの要因の中での差を求めるケースとは異なり、データに差がある可能性が高いという事実しか浮かびあがってはきません。それは偶然の可能性を超えているという検定があるのですが、その理由づけには言葉による分析が必要であると言えます。

 

分散分析によって知ることが出来るのは要因の水準間に差があるということだけですので、水準が3つ以上に分かれていたとしてもその程度の差をつけることは出来ないということは理解しておかなければなりません。このように二元配置分散分析にはその構造上の条件が存在していますので検定を行う場合の設計、分析のデザインが非常に重要であると言えます。数的な分析はあくまでも数的な分析であり、違いが生まれた背景、あるいは違いが生まれなかった背景については分析をした人自身が考察を重ねて結論を導く必要があるのです。

 


分散分析が行うことが出来ること

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分散分析とは分散比の分析を行うことにより複数のデータの集団間に差があるかないかを可能性で表現することだけです。一般的には差がない可能性が5%以下であれば差があると考えることが多くなっていますし、1%以下になればかなり明確に差があると過程することが出来るようになります。

 

これは個人差の大きな問題を取り扱う心理学や医学では必要とされる手法であり、統計によって効果判定を行うという特殊な技術体系であると言えるでしょう。そのためこの分散分析という手法を行う場合にはあらかじめ差が生まれることが想定される複数の集団を設けてデータを取得し、それらを分析にかける必要が生まれます。

 

その時に設定する仮説は二つのデータ間に差はないという仮説です。そしてこの仮説が正しい可能性が低ければ低いほど差があるということが現実味を帯びてくるのです。この様な仕組みは限られたデータで全体を想定した判断しなくてはならないという学問分野独特の手法であると言えるでしょう。

 

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