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かしこまった手紙や文書を作成するときに言葉の使い方、特に敬語の使い方を間違わないように気を付けるのですが、一般的に使われているから大丈夫だと使った敬語が、目上の方には失礼に当たる使い方だったということがあるかもしれません。
たとえばビジネスで
「なにかお気づきの点がありましたらご進言下さい。」とお客様宛てに書いたら、自分では「言ってください」「アドバイスお願いします。」という意味で使っていても実はお客様には失礼な言葉の使い方なのです。なぜなら「進言」というのは目下の人が目上の人に対して意見をするときに使われる言葉なので、自分の方が目上だと感じられる言葉になってしまうからです。
また「あなたが言ったのは」の尊敬語で、「何々様がおっしゃられたのは」というふうに使うと、「おっしゃる」と「られる」の二つが敬語になるので、相手に不快感を与えることはないのですが、しつこい感じがしてしまいます。この場合は「何々様がおっしゃったのは」でよいのです。
このように敬語の使い方は
正しく理解して使うことが大切なのです。敬語と同じように、自分のことを謙遜する場合に使う謙遜語も正しい使い方を知っておく必要があります。
たとえば自分が「そのように聞きました。」という言葉を丁寧に、自分を謙遜していうときには「そのようにお聞きしました。」や「そのように承りました。」という言い方をします。「聞きました」には「お」を付けるのですが、「承る」に「お」を付けて「お承りしました」といういい方にはならないので注意が必要です。
また自分が見たり聞いたりしたことには「拝」を付けて「拝見しました」「拝聴しました」などと言います。これは自分をへりくだるときの謙遜語になります。それらと同じように自分が「このように思います、察します、思われます。」というときには「拝察いたします」といういい方になります。
「このたびの人事異動は、合併を前提としたものと拝察いたしますが」「梅雨明けが待ち遠しい今日この頃、皆様におかれましてはご健勝のことと拝察申し上げます。」などという使い方をします。
「何々様は最近お忙しいことと拝察いたします。」というようなときにも使われます。このような場合の使い方は「お忙しいことと存じます」といういい方も同じ意味として使われます。
また「拝察」には相手の気持ちを思いやるときにも使われます。
「このようなお気持ちかと拝察いたしますが」というときに使うのですが、手紙を書くときにはこのような使い方はお悔やみ状でよく見られます。
「皆様のお気持ちは如何ばかりかと拝察申し上げます。」「奥様の御胸中如何ばかりかと拝察申し上げます。」という使い方をします。お悔やみ状は何らかの事情があって通夜や葬儀に参列できない時に弔問に伺う代わりに書くもので、便箋に手書きで送ります。
訃報の連絡を受けたらなるべく早く出すようにしますが、後になって聞いた場合にも出すことができます。お悔やみ状には他の手紙などのように「拝啓」「謹啓」などの書き出しの言葉や時候の挨拶は書かずに「何々様の訃報に接し、ただ驚いております。」「お父様のご逝去を知り、驚いてペンをとりました。」などお悔やみの言葉から書き始めます。
そして故人のエピソードや思い出を少し入れたりしながら、「ご家族の皆様のお気持ちは如何ばかりかと拝察申し上げます。」など悲しみの気持ちを思いやるように書きます。
さらに弔問に行けないお詫びを入れ
最後に「お力落としのないように」「どうぞ気持ちを強く持ってご自愛ください。」などの言葉で締めくくるようにします。「拝察」という言葉は、自分が「思う、察する」というときに謙遜語として使ったり、相手の気持ちを思いやる時に使う言葉です。
このような尊敬語や丁寧語、謙遜語などの敬語は、間違った使い方をしても普段の会話や電話なら音声は消されてしまうので、お互いにそれほど気になりませんが、メールの場合は消すまでは残ってしまいます。それでもメールなら何回も読み返すということはあまりありません。
しかし手紙はいつまでも残していることも多く、他の家族が読むことがあったり、何年後か後に読み返してみるということもあるので、手紙で敬語を使う場合は、特に意味や使い方をよく考えて書くことが大切になってきます。
最近は子どものうちからあまり敬語を使うことがなく
学校の先生とも友達感覚で話すということも多くなり、敬語の使い方がよくわからない若い世代が増えています。人生経験を積んだ大人でさえも正しい敬語の使い方をしていないこともあります。またメールばかりをして手紙を書く経験も少なくなっている人が多い昨今です。
敬語を知って正しく使えるかどうかで相手の印象は大きく変わってくるものです。もしお礼状や挨拶状、またはお悔やみ状などで敬語を必要とするような手紙を書くことがあれば、その時を機会に敬語の使い方を改めて勉強してみてもよいでしょう。