出納帳の書き方 繰越金

pixta_tegami_01

どのような業種のものであれ、事業を行う場合には、現金の出入りは毎日必ず記録しておかなければなりません。直接的には、入金があった場合には入金伝票に、出金があった場合には出金伝票に、それぞれ記入することになるわけです。

 

  1. 1.現金の出入りは毎日記録しなければならない
  2. 2.現金出納帳の書き方とは
  3. 3.現金出納帳は月単位に集計する
  4. 4.前月からの繰越金と次月への繰越金

 


現金の出入りは毎日記録しなければならない

pixta_tegami_02

どのような業種のものであれ、事業を行う場合には、現金の出入りは毎日必ず記録しておかなければなりません。直接的には、入金があった場合には入金伝票に、出金があった場合には出金伝票に、それぞれ記入することになるわけですが、この入金伝票、出金伝票からさらに転記をして、現金出納帳という一冊の帳簿にも毎日、記帳して行く必要があるのです。

 

というのも、入金伝票、出金伝票というものは、あくまでも個々の入金、出金を記入しているだけのものですから、これだけでは、一日の金額の出入りというものの全体を掴むことはできません。

 

また、金銭の出入りの流れというものは、日々継続されて行く事業活動に伴って発生して行くわけですから、その流れを把握できるようにするためにも、毎日のお金の出入りが連続的に記録されている帳簿、というものがどうしても必要となってくるのです。

 

この帳簿が現金出納帳と呼ばれているものなのですが、この帳簿には、貸方、借方に分けて記帳を行う複式簿記による本格的な記帳方式ではなく、単純に入金、出金を記帳する単式簿記、という簡易記帳方式で記帳を行います。

 

これは、現金出納帳というものが、仕訳作業を経て決算書を作成するための帳簿なのではなく、単に毎日の現金の流れを掴むことができるようにするための帳簿であるからで、その現金の出入りがあった日付と、その現金の出入りの概要、出金額あるいは入金額と、その差し引き残高というものが記録されていればいい、というものだからです。

 


現金出納帳の書き方とは

pixta_tegami_03

現金出納帳とは、毎日の現金の出入りの流れを掴むことができるようにするための帳簿ですから、そのために、所定の記帳項目というものが設けられています。その記帳項目としては、現金の出入りがあった日付を記入するための月日、その費用の種別を記入する科目、

 

現金の入金元か出金先とその内容を記入するための摘要、入金があった場合の金額を記入するための収入金額、出金があった場合の金額を記入するための支払金額、毎日の〆後の残高を記入する差引残高、といったものから成っています。

 

日付は、同日に複数の金銭の出入りがあった場合には、先頭行にのみ記入をすればよく、後続する行については省略することができます。ここで注意する必要があるのは、この日付には領収書の日付ではなく、実際に現金の出入りがあった日付を記入する、という点です。

 

というのも、事業取引には売り掛け、買い掛けというものがあるために、現金の出入りと帳簿上の金額の出入りとが異なる場合があり、領収書上の日付は売り掛け、買い掛けによる帳簿上での入出金日となるので、現金の出入りを記録するための現金出納帳には、

 

あくまでも、実際の現金の出入り日付を記帳する必要があるからです。科目欄には、勘定科目という会計上の種別を記録するのですが、その種別はあらかじめ一意に決めておくことが必要となります。摘要欄には、入金元か出金先と、その内容を簡略に記入しておきます。

 

収入金額、支払金額の欄には、入金、出金の金額を記入します。最後の差引残高の欄には、一日の仕事が終って〆た後の残高を記入するので、同日に複数の入出金があった場合には、いちばん最後の行にのみこの金額が記入されることになるわけです。

 


現金出納帳は月単位に集計する

pixta_tegami_01

現金出納帳には、毎日の現金の出入りを残らず記帳して行くわけですが、月末には、その月の入出金の集計を行って、その集計額を収入金額、支払金額、差引残高の欄に記入することになります。この月末の集計を行うことで、その月の総収入金額と総支払金額、そして、その差引残高というものがわかるわけです。

 

この集計の結果、その総収入金額が総支払金額を下回ってマイナスになっている、という場合があるのですが、では、こうした場合には赤字経営となっているのかといえば、必ずしもそうとは言えないのです。というのも、現金出納帳にはあくまでも現金の出入りだけが記入されているので、

 

掛売りによる売上があっても、その代金回収がまだなされていない場合には、その売上金額は記入されていないために、現金出納帳上の総収入金額では、総支払金額を下回ってしまっている、といったことが起こり得るからなのです。

 

特に、売掛取引が多いような業種の場合には、掛売りによる売上も含めた総売上額と、現金出納帳上の総収入金額とが大幅に違っていて、掛売り分込みの総売上額では黒字でも、現金出納帳の総収入金額では赤字になっている、という場合も珍しくはないからです。

 

現金出納帳に記入される日付は、領収書上の日付ではなく、あくまでも、実際に現金の入出金があった日付である、ということを思い起こしてみれば、このことの意味がわかるでしょう。

 

しかし、ビジネスの世界では、特に企業間の取引においては、むしろ現金決済による取引の方が稀なくらいで、そのほとんどが支払サイト何ヶ月、という売掛による取引なのですから、こうしたことは少しも珍しいことではないわけなのです。

 


前月からの繰越金と次月への繰越金

pixta_tegami_01

その月の最終日(晦日)には、毎日の現金の出入りが残らず記帳されている現金出納帳の、入出金の総集計を行って、その集計額を収入金額、支払金額、差引残高の欄に記入することになります。

 

この集計を行うと、その月の差引残高が算出されることになるわけですが、その金額が次月への繰越金となるわけですので、その摘要欄には、次月への繰越と記入します。従って、次月になれば、その月の先頭行には、先月からの繰越金が記入されることになるために、その摘要欄には、前月より繰越と記入することになるわけです。

 

もちろん、事業を開始した初月には、当然に、この繰越金というものは存在しないわけですから、現金出納帳の先頭行の摘要欄には、事業の開始資金として投入する金額を、元入金として記入することになります。

 

もしも、この繰越金の額が十分である場合には、その月の手持ちの現金が十分にあることを意味しますから、余裕をもって事業を展開することができるようになります。反対に、この繰越金が乏しいか、場合によってはマイナスとなっていれば、たとえ売掛金を含めた売上では黒字になっていても、

 

すぐに動かせる現金が乏しいか、そもそも手持ちの現金がない状態となっているために、その事業展開はかなり制約を受けてしまったり、売掛金の回収が予定通りに進まなければ、文字通りの赤字経営となって、非常に危険な経営状態に陥ってしまう、ということにすらなってしまいます。

 

企業が黒字倒産してしまう場合、たいていは、掛売分も含めた帳簿上では黒字になっているのに、実際には売掛金の回収が思うように行かずに、手持ちの現金が底を尽いてしまって事業が立ち行かなくなり、倒産へと追い込まれてしまう、といったパターンなのですから。

 

祝辞の書き方

小学校や幼稚園などのPTA会長になった場合に、学校・園内の各行事において挨拶をする場面が数多くあるでしょう。入学式や卒業式など大事な場面での挨拶を考えるのはとても大変ですし...

省エネの中長期計画書の書き方

近年省エネという言葉が盛んに叫ばれるようになってきました。昔から資源は限りあるものであるとされてきており、今の生活を永遠に続けることは難しいと考えられてきましたためエネルギ...

3月の挨拶(書き出し・文頭)の例文と時候の挨拶と書き方

手紙やメールを出す際には、時候に応じた挨拶を適切にいれることで、ずいぶんと印象が良くなるだけではなく顔の見えない相手への気遣いが伝わるようになります。今回は、まず、3月の挨拶で用い...

三つの文章構造について

文章の書き方について書いていきます。文章をわかりやすいものにするためには、文章構造の工夫がどうしても必要になります。文章構造を考えずに書いた場合、文意がどうしても支離滅裂になってし...

入居申込申請書の書き方

アパートやマンション等の賃貸物件を借りるためには、いくつかの物件を下見に行くことになるでしょう。実際に見に行ってそれぞれの賃貸物件を比較したら、一番気に入った物件に申込を行...

手紙の書き方:横書き封筒

伝えたい気持ちや感謝の言葉。何気ない日常を手紙で綴る。何度も読み返して書き直した思いの詰まった手紙を送る。これらは昔から繰り返されてきた「言葉を相手に伝える」手段です。現代...

再年調の納付書の書き方

税金には、日常生活で最も目にする機会が多い消費税をはじめとして、所得税や法人税、相続税、贈与税に、あまり身近に感じられないゴルフ場利用税や入湯税、軽油引取税など、たくさんの...

備忘録の書き方

  1.備忘録の必要性 2.備忘録から自分を知る 3.なるべく良い物を使う 4.存在してしまった物と例文   備...

生命保険料控除の書き方

  1.所得税と生命保険料控除 2.給与所得者の生命保険料控除申請書 3.生命保険料控除の対象となる保険契約 4.生命保険料控除申請書の書...

自分が望む会社に就職したいのであれば

就職や転職をする際には、履歴書を作成しなくてはなりません。履歴書のことを、応募するために必要になる形式的な提出書類に過ぎないと軽く考えている人がいますが、そのようなものではありませ...

スポンサーリンク