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卒業に際して書く手紙は、その立場によって大きく分けると「卒業する者に対して書く手紙」「その子を持つ親に対して書く手紙」「本人が書く手紙」があります。その中にも目上のものから目下の者に書くのか、もしくは目下の者から目上の者にあてて書くのかといった点で、書き方も違ってきますし、焦点を当てるポイントが変わります。
卒業に際しての手紙の種類
卒業に際して書く手紙は、その立場によって大きく分けると「卒業する者に対して書く手紙」「その子を持つ親に対して書く手紙」「本人が書く手紙」があります。その中にも目上のものから目下の者に書くのか、もしくは目下の者から目上の者にあてて書くのかといった点で、書き方も違ってきますし、焦点を当てるポイントが変わります。
目上の者が卒業する本人に対して書く手紙であれば、卒業を喜ぶ言葉とともに、相手の長所や普段からの行動などを中心に、未来についての励ましや期待感、希望にあふれる将来についての賛美などを書き添えます。目下から目上に対してであれば、喜びを伝える言葉を添えるのは同じでも、相手の将来について書くことは「出過ぎたこと」と取られることもあります。
後に続くものとしての自分の心構えなどを書き添えるほうが、印象は良くなるでしょう。卒業する子を持つ親にあてた手紙であれば、同等の立場、もしくは自分が目上の場合、祝福の気持ちを中心に、親子の子離れや親離れに対する一抹の寂しさなどに寄り添う一文を入れても差しさわりはありません。
親として、子育ての中でそこに至るまでの苦労や頑張りをねぎらう言葉も、相手に受け入れられます。これを目下の者が目上に対して行うと、角が立つものですので、注意が必要です。祝福の言葉に終始すべきでしょう。本人が書く手紙は、目上の者に対してであれば報告と感謝、今後に対する心意気や決意に終始すると、成長も相手に伝わりやすくなります。目下に対しては、先に飛び立つものとして、残したい言葉や気持ちなどを書き添えます。
卒業する者に対して書く手紙
目上の者が目下である「卒業する本人」に対して書く手紙は、喜びとお祝い、訓示、家族へのねぎらいを中心に書きます。もし卒業と就職もしくは入学を一度にひとつの手紙で済ませる場合には、就職や入学を祝う言葉を中心に構成するのが望ましいとされています。とりあえず卒業だけに焦点を当てて手紙を書くのであれば、入学や就職の前に届くように、時期的な配慮が必要です。
上記を踏まえて例文を上げると「ご卒業おめでとうございます。○○大学にご進学とのこと、ご両親もさぞお喜びでいらっしゃることでしょう。」と、このように喜びと周囲に対するねぎらいの言葉に続けます。最初に時候の挨拶を入れても構いません。そして「今までとは違う試練や困難が待ち受けているでしょう。どんな時でも部活を黙々と続けてきたあなたですから、きっと乗り越えて、自分の糧にすると信じています。」
と、その人の特性や長所などに触れ、「失敗はいくらでも取り返せるのが若さです。恐れず、なお一層のご活躍を期待しております。」と相手への激励や期待などを書き添えます。「ご精進をお祈りしています。」も良く使われます。最後は「新しい生活の門出を祝し、○○さんに幸多かれと、心よりお祈りいたしております。」や
「御多幸やご健闘を心よりお祈りいたしております。」といった言葉で締めます。ご両親と同等、または目上であれば、最後に「ご両親様へも、よろしくお伝えください。」と付け加えることに違和感はありません。関係性において、「なにかあったらいつでも力になる」といった内容を加えると、温かい印象を与える手紙になります。
卒業する子を持つ親に対して書く手紙
卒業を誰よりも喜んでいるのはご両親です。また他者からの喜びの声かけを、うれしく受け止めてくれるものです。本人のことは直接知らず、両親と関係が深い間柄であれば、祝いの手紙はご両親にあてて書きます。ご両親は、子供の成長に対して喜ばしいと思う気持ちと同時に、親離れ、子離れの時期が近づいていることへの寂しさも感じています。
卒業のお祝いとともに、ここに至るまでの親としての御苦労へのねぎらいの言葉や、寂しさに対して寄り添うような言葉を綴ると、温かみがある手紙になります、例文としては、ご両親にあてる場合、まずは時候のご挨拶から入るとスムーズです。卒業は肌寒い時期ではありますが、希望に満ちている出来事です。明るさを表すご挨拶がよいでしょう。
「春風さやかな季節となりました。」「桜のつぼみもふくらみ」「春光うららかな」といった言葉もきれいです。その後に「皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」と続けます。この時候の挨拶に続け「さて、このたびは、ご長男○○さんのご卒業、誠におめでとうございます。」と本題に入ります。
「ご本人のお喜びももちろんのことと存じますが、ご両親様も、さぞやご安堵されたことでしょう。かねてよりご希望されていた大学へのご進学がお決まりでいらっしゃるとのこと。ご長男様の日頃の努力と御心根の強さ意志の強さであると感服しております。」と本人を称え、
「これも温かいご家庭がお育てになったものと感じております。」とご両親も称えることばを付け加えたり、「親としてのお寂しさもおありのことでしょう」と寄り添う言葉も、関係性の中では可能です。「より一層のご活躍とご成長を、心よりお祈りいたしております。」と締びます。
本人から送る手紙の書き方
卒業するものから送る手紙は、「報告」と「感謝」が中心になります。それに今後の展望や心意気、不安感など、自分の心内を表す分を書き添えるとよいでしょう。最後には、これからも変わらない力添えに対してのお願いを加えておきます。たとえば高校卒業であれば、「無事に高校を卒業できましたことを、ここにご報告いたします。」の後に、
進学するのか、就職するのかといった内容に触れ、それに対しての想いを書きます。在学中にお世話になったことへの感謝にも触れます。そして、自分が進路を歩み始めた時に「頑張る」「勉学に励む」といった心構えを伝え、「これからも変わらぬ御指導、ご鞭撻のほど、お願い申しあげます。」といった内容で締めます。高校生であれば、もっとソフトな言い回しでも構わないでしょう。
「御指導御鞭撻」ではなく「これからも様々な壁にぶち当たり、悩んでしまうこともあるかもしれません。その時には相談に伺います。よろしくお願いします。」といった感じでも、構いません。大学を卒業し、就職を控えているのであれば、社会人のして歩み始めるだけの成長を、その時点で示すことも求められます。
年齢的にもすでに20才を過ぎているのですから、礼節を重んじる言葉を使うことも必要となります。後輩などの目下に送る場合は、先に飛び立つ自分から、後に同じ立場になるものに対しての言葉になります。自分が抱いている不安を相手も後に感じることになるわけですから、それについて書き添えたり、「頑張ってほしい」「自分がいなくなった後をしっかりと守ってほしい」といった相手に対する気持ちを中心に書くことができます。