自然災害の被災をふまえた年賀状の書き方

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年賀状といえば、12月になると慌ただしく書き始める、年始のごあいさつです。新年を迎えられたことへのお祝いと、新しい年になってもまた今まで通りの関係を続けられるようにあいさつをする、礼儀的なものです。

 

  1. 1.年賀状の意味
  2. 2.喪中の年賀状
  3. 3.自然災害の被災地への年賀状の書き方

 


年賀状の意味

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パソコン等の機械が家庭に普及する以前は、手書きでたくさんの人に送っていたものですが、最近では通信機器が日常的に使われるようになったために、メールで簡単に済ませる人も増えているといいます。それでも、ビジネスの関係ではいまだに紙の年賀状を重く見ているところもあります。

 

年賀状は、日本と、中国韓国といったアジア圏内独自の文化で、欧米ではグリーティングカードで済ませていることが多いようです。それでは、そもそも年賀状とはどのように始まったものなのでしょうか。もともと、日本には年始のあいさつ回りの習慣がありました。時は平安時代にまでさかのぼります。

 

年が明けると、親交の深い人たちの家まで出向き、顔を合わせてあいさつしあいました。このことを「回礼」といいます。当時は遠方との付き合いも少なかったですから、実際に足を運んでのあいさつも可能だったのでしょう。

 

ですが、諸事情であいさつ回りができなかったり、引越しなどで遠のいてしまった知人へのあいさつ回りの代わりとして、年賀状が使われました。つまり、対面してあいさつができない相手へのあいさつ状だったのです。

 

手紙よりも、顔を合わせてのあいさつのほうが礼儀としては正しく、もともとはやむをえない事情の場合にのみ使われていたものでした。現在ではあいさつ回りの習慣がすたれたために、年賀状の習慣だけが残っているということです。

 


喪中の年賀状

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年賀状は、年始のあいさつであるとともに、新年の始まりを祝うというお祝いの意味もこめられています。ですから、身内に不幸があった場合には、お祝いの文面は避けます。これは書く側もそうですが、出す相手のことも考えなければなりません。

 

一般的に、二親等以内に不幸があったとき、服喪という期間に入ります。この期間は、該当の親族が亡くなった日から約1年間が目安です。最近では二親等ではなく、同居しているかどうかを目安にするなど、さまざまな考え方がありますから、服喪については柔軟に考えていきましょう。

 

一般的には、喪中の場合、12月中に「喪中はがき」というはがきを知人に書きます。これは、年賀欠礼状ともいい、今年は喪中のために年賀のあいさつができません、ということを詫びる手紙となります。亡くなった親族の名前と、自分との関係を記し、年賀状が出せない旨を説明します。

 

このはがきがきた人のところへは、年賀はがきは出しません。その場合は、「寒中見舞い」として、1月7日以降にあいさつ状を出すのが一般的です。これは、新年のお祝いは避け、年始のあいさつのみを記した手紙になります。

 

寒中見舞いは、間違って喪中の相手に年賀状を出してしまった場合にも出します。間違って新年のお祝いを述べてしまったことを詫びて、改めて年始のあいさつをするためのものです。現在では欧米の風習も入ってきており、喪中の際は、年始のあいさつの代わりに、クリスマスカードで代用するパターンも増えてきているようです。

 

喪中でもクリスマスカードは出すことができます。また、ビジネスの関係では喪中はがきを出すことがはばかられるということで、プライベートとビジネスを分けて年賀状を出す人も増えているようです。喪中の考え方も、時代に合わせて多様化してきています。

 


自然災害の被災地への年賀状の書き方

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喪中とは、要するに新年を手放しで祝えない人が年賀状を出すのをはばかるという風習です。お祝いできる準備が双方にない場合は、新年あけましておめでとうございます、という文句は使えないのです。では、自然災害の被災者、被災地への年賀状の書き方はどのようにすればいいのでしょうか。

 

日本は地震大国であり、震度6や震度7といった大災害が数十年に一度の単位で起こります。テレビやラジオのニュースで報じられる被災地の様子はいたましく、断水や停電などの二次災害も含めると、多かれ少なかれ自らも被災した、という人も中にはいるでしょう。

 

また、数年前には東日本大災害があり、いまだに記憶に新しいところです。家や財産をなくした被災地の人たちは、まだ新年を祝えるような気持ちではないかもしれません。この問題にはさまざまな考え方があり、また決まった形式などもありません。

 

自分の知る相手のことを考えた上で、最良の方法を考えてみましょう。まずいちばんに、被災中ですから、年始のあいさつは避けようという素直な考え方があります。被災地で先の見えない不安を抱えているのに、年賀状なんて見たくもないはずだという考え方です。実際、こういった人もいることでしょう。

 

反対に、被災中だからこそ、腫れ物に触るように扱われたくない、普段通りに年賀状のやり取りがしたい、という考え方もあります。年始のあいさつを遠慮したら、さみしがられることもあるでしょう。特に東日本大震災の折には、日本全体で助け合いが起こった、という報道もされていました。

 

その時の記憶から、人とのつながりを象徴するような年賀状を求めている人も確かにいることでしょう。このような考え方から、被災地へ年賀状を届けようというプロジェクトを行っている団体なども存在し、被災地との文通などを奨励していたりします。

 

ですが、実際のところどのように考えているのかは、自然災害に遭った当人にしかわからないことです。あいさつ状を出す側は、ただ相手の気持ちを想像して書くことしかできません。無難な書き方のポイントはいくつかあります。まずは、「おめでとう」などの祝いのことばは避けたほうが無難でしょう。

 

「年始のあいさつを申し上げます」などのことばにとどめ、あいさつ状として書くほうが無理がありません。そして、必要以上に相手を励ましたり、元気づけるようなことばをいれないようにすることです。部外者にはへたに触られたくない部分があるでしょうから、そういった部分は避けて、年始のあいさつのみにとどめたほうが無難でしょう。

 

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