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正社員として会社の組織の中で働いている以上、上司から命令されることがもあります。
もし転勤という業務命令が出た時には、必ず従って転勤をしないといけないのでしょうか。子どもが小学生までのうちは転勤に家族が一緒についてきて変わらず家庭生活ができる場合は、転勤をしてもさほど構わないのですが、子どもが中学生、高校生と学年が上がるにつれ、転校に抵抗があって家族を置いて自分だけが単身赴任をしなければならないということも多くなってきます。
しかし単身赴任をしたくなかったり、また転勤先には何らかの事情で自宅から通わないといけなくなり、通勤に2時間以上もかかるなどの理由で転勤を断りたいというときもあるかも知れません。そんなときに断ることができるのでしょうか。
まず、転勤を断ることができるかどうかは、入社時の契約によります。
入社したときの契約に「転勤がある」と明記されていなくて、「転勤はしたくない」と申し出ていれば断ることも可能ですが、それが口約束ではなく契約に明記されていれば断りやすくなります。
転勤を断るときは本来は直接人事の方と面談をして断る方が良いのですが、文書で申し出る場合には、「入社時には転勤できない旨のお話をさせて頂いておりますので」という内容で書くとよいでしょう。
その際には「現在はこのような仕事をさせていただいていますので、その仕事に集中して貢献できるように努力をしたいと思います。」というように現在の立場で今後も頑張りたいという気持ちを書くとともにお詫びの言葉を入れるようにします。
会社の決まりや契約時の決まりで「転勤がある」と謳われている場合には「転勤がある」ことを承知で入社してきているので、断ることができません。 そのような場合には、もし「単身赴任をしたくない」ということだけで断ったりすれば、懲戒免職になる可能性もあるのです。
しかしだからといって本当に転勤できない事情があるなら、文書でならその内容をしっかりと書いて上申告することができます。 このようなことで転勤を断るときの文書の書き方としては、要望事項の内容が相手に伝わるように箇条書きで簡潔に書くことが大切です。
事情説明はだらだらと書くと却って誤解も生じやすいので、端的に表現することが必要です。
文例ですが、「わたくし誰々は、去る何月何日付けの辞令によって、本年の何月何日をもって、何支店への転勤を命じられました。しかしながら下記の理由により何支店勤務は困難でございます。何卒ご再考の上、」辞令を撤回していただけますようにお願い申し上げます。」に続きその理由を簡潔に書きます。
「1、介護が必要な高齢の母と同居しており、夫婦で自宅介護をしております。2、公立高校の長男と私立中学の長女がおります。3、従って、家族同伴の転勤は不可能であり、単身赴任も含めてこんなんです。」というふうにわかりやすく端的に書くことで転勤できないことが伝わることでしょう。
冒頭には「取締役社長 何々殿」と書き、次の段の右端には書いた日付と自分の部署や氏名を書きます。そして「人事異動について(上申)」と記した後に先述の転勤を断る必要性を書き、文末は右端に「以上」と書きます。 このようにたくさん書かずに読みやすく、そしてわかりやすく書いて提出します。 そして転勤を断る上申書の提出先ですが、人事部長に提出をするとよいでしょう。
ただ、転勤辞令の交付と人事異動の担当する部署が違う人事部ではない場合には当該部署の責任者に提出するようにします。
転勤というものは本来、会社にプラスになることがあるから行われるもので、個人的にある社員を違う支店に行かせたいとか組合活動を活発にしたことなどが原因でとなるような不当な理由で会社が転勤命令を出した場合や、労働者側に転勤を断る正当な理由があるときには、その転勤命令は法的に無効だと判断されることもあります。
労働者が転勤を断る正当な理由とは、自宅に育児や介護が必要な状況で、自分が単身赴任したり通勤に時間がかかりすぎて育児や介護に支障が出てくる場合などは転勤を断ることができる正当な理由になります。
入社したときに転勤があることを承知していたとしても、月日がたつうちに自分の事情や家族の事情にも変化が出てくるのは仕方がないことです。 だから家族の介護や育児などの事情で長く自宅を離れることができないというときには、会社といえども無理やり転勤を強制することはできないのです。
だからそのような事情があって転勤が無理な場合には、「転勤を断って解雇されたらどうしよう」という不安はあっても、上司に相談してみたり、このような上申書を作成するなどして我慢せずに、まずその旨を伝えてみることです。
その会社にとってはその申し出が正当な事情として受け止めてはもらえないとしても、考慮してもらえることはできるでしょう。 そして今後もこの会社で頑張っていくという気持ちもアピールしてみましょう。