「運びとなりました」の意味と例文と書き方

文章の基本的な使い方をマスターしてその状況に相応しい言い回しを適切にすることで、表現力が身について行きます。

 

良く用いられている言葉で

「運びとなりました。」がありますが、この言葉は、「運ぶ」という動詞には、物事が滞ることなく「進展する」や「進捗する」や「捗る」という意味があり、「予定通りにことが運ぶ。」、「すべて滞りなく運んでいます。」というような使い方をしています。

 

しかし、「運ぶ。」の後ろに「となりました。」と付いた場合では、ややそのニュアンスが違ってきます。「となりました。」とつけることで、物事が進んでいることが、それまでの予想や予定とは異なる場合や、それまで希望していたこととは違った方向性の結末に至った場合など、この場合には意外性のニュアンスが含まれるようになっています。

 

そのために、「運びとなりました。」は、通常なら、物事が滞ることなく進展しながらも、事前の予想や予定、意図、計画などとは違う方向に向いて進んでいることを表現する時に相応しい言い方になります。

 

また、成り行きがこのような展開になるとは予測できなかったために、何らかの進展や結末を迎えた時には、意外な結果になってしまったというニュアンスを含めた場合に使用されます。

 

では、実際の例文で説明をして行きます。

「今回は思いもよらぬ運びとなり、愕然と致しました。」とすれば、予期していない結末になったことを知り、動揺している気持ちを示せます。ここでも、意外性が込められているのが分かります。

 

また、「経緯は紆余曲折でしたが、全員が及第点を取る運びとなり、ほっとしております。」とすれば、あまり期待が出来るような好成績にはならないだろうと思っていたのに、結果的には全員が及第点を取ることが出来たので、その意外な展開に安堵している気持ちを伝えられます。

 

これも、いい結果になったという意外性を示しています。そして、「今月末をもちまして業務を終了する運びとなりました。」とすれば、顧客にとっては業務が終了することは知らなかったわけですので、意外性の内容になります。

 

おめでたい場合でも

「吉日に結婚する運びとなりました。」とすれば、手紙やメールを受け取った相手は、おめでたい内容でもあっと驚く意外な感じを持つ方もいるでしょう。

 

「赤坂に事務所を移転する運びとなりました。」とすれば、これまでの事務所から新天地へ移転する旨を伝えられますので、情報を知らせるのに役立ちますし、お客様にとってはやや意外な感じを持つ場合もあるでしょう。

 

「今年度をもちまして当サービスを終了する運びとなりました。」と書けば、これまで行っていたサービスが終了することを告知することになります。その後に、「これまでの皆様のご愛顧には大変感謝しております。」とお礼の意味合いを込めた文章を続けても良いでしょう。

 

「サービスを終了することとなりました。」とするよりも、書き手自身もややこれまでの計画とは異なる事態になっているニュアンスを表現できるのが、「運び」という言葉なのです。

 

ビジネスのシーンでは

「さて、このたび弊社では下記の日程で新製品の展示会を開催する運びとなりました。」というような使い方が一般的です。新製品の展示会を開催するのは、取引先や顧客にとっては意外性を感じるニュアンスをもつものですので、このような言い回しが適しています。

 

そして、「昨日はトレッキングの予定でしたが、あいにくの悪天候のため、やむなく途中で引き返す運びとなりました。」とすれば、天候があったしたために予定を変更して途中で予期しない選択であったけれど引き返したという意外な結末になったことをしめしています。

 

「会談が予想外の運びとなりましたので、取り急ぎご報告申し上げます。」と書けば、会談が本来、想定していたものとは違った方向へ進捗したため、その連絡をとりあえず行いますという伝達が出来ます。

 

他にもお詫びの意味で伝える場合にも

「皆様のご期待にそえない運びとなりまして、お詫びの言葉もございません。」とすれば、皆様への思いや期待とは裏腹の展開に至った結果になり、お詫びをする言葉すらみつからないという陳謝の気持ちを伝えられます。書き手が意図していた結果とは別の方向へ進捗したのは、意外性があるのでこの場合にも「運び」を使っています。

 

このように意外性を含めるニュアンスを伝える際に用いることが多い文章ですので、その状況に応じた前後の言い回しも加えて行きましょう。意外な展開になったという事態でも、良い場合、悪い場合、どちらでも用いることが出来るので使用する頻度はかなりあるといえます。

 

実際に、結果などを報告する際に単に、「なりました。」とするよりも「運びとなりました。」の方が、丁寧さがあり相手に対しての配慮を示す言い回しになりますので、このような例文を参考にした上で注意して用いるようにしてみてください。

 

他の意味と例文の情報を知りたい方は、こちらもご覧ください。
タイトル:「お心づくし」の意味と例文と書き方
タイトル:「幸甚」の意味と例文と書き方

大学志望理由書の書き方

志望理由書とは、自分の熱意を伝えるための書面です。他の書類と比べて、自分の考えていることを自由に書くということが求められるので、志願者によっては「何を書いたら良いか分からな...

協力依頼文の書き方:例文

実習レポートと一口に言っても、そのジャンルは幅広くあり、ジャンルごとに書き方の例も変わってくる場合が多いというのが実態ではないでしょうか。   ...

【12月】手紙の書き方

季節によってその手紙の書き方にはいろいろなものがあります。12月に書く手紙の場合は、師走の挨拶なども含めた文章が多いといいます。目上の人や同僚などによってその書き方は違って...

役員報酬内訳書の書き方:家族とは

損益計算書の販売費及び一般管理費という費目の中に、役員報酬という勘定科目があります。この役員報酬とは、会社が法人である場合に、雇用主がもらうことができるお金、いわゆる社長や...

1月の挨拶(結び・文末)の例文と結びの挨拶と書き方

手紙やメールを出す際には、季節に応じた挨拶を入れるようにしますが、1月の挨拶をどのような結び、いわゆる文末にしたらいいかを説明します。   1月の挨拶と言えば...

内定通知のお礼状の例文とマナーと書き方

就職活動の締めくくりとなる「内定通知」をもらった企業へのお礼状の例文とマナーについて気を付けるべきポイントをお伝えします。   1つ目のポイントは お礼...

脚本の書き方

脚本を書くにあたって、まずは基本となるのはどのような物語にするのかということです。きちんとした話にするためには行き当たりばったりで書くのではなく、大まかなストーリーを先に決...

イタリアン・黒板の書き方

イタリアンを食べようとしているお客様がお店を決められるとき、インターネットや口コミを利用して来られる方が年々増えているとは言っても、フラッと立ち寄られるお客様にとって、店頭...

お中元の送付状の書き方

  1.お中元とは何か 2.季節の挨拶について 3.送付状の挨拶について 4.手紙の折り方について   お中元とは何...

転勤を断る理由の例文とマナーと書き方

正社員として会社の組織の中で働いている以上、上司から命令されることがもあります。 もし転勤という業務命令が出た時には、必ず従って転勤をしないといけないのでしょうか。子どもが小...

スポンサーリンク