「時下」の意味と例文と書き方
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挨拶状やお礼状などの手紙を書くとき、何かのお知らせなど文書で配布したり回したりするとき、またはビジネスメールを送るときなど、文頭に挨拶の言葉を入れます。
「拝啓」に引き続き、時候の挨拶と相手様のご様子をうかがう挨拶文が入ります。時候の挨拶というのは、その手紙などを書く時の季節感を込めた言葉です。たとえば「盛夏の候」「厳寒のみぎり」など季節に応じたです。各月によっても変わってきます。
1月なら「新春の候」「寒風の候」「「厳寒の候」などがあり、2月なら「立春の候」「余寒の候」、3月なら「早春の候」「萌芽の候」、6月なら「入梅の候」「初夏の候」など季節を表す言葉を入れそれに続いて「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」「皆様には一層ご活躍のこととお慶び申し上げます。」などと相手様がお元気で日々活躍されているであろうことを喜んでいるという安否の挨拶のような意味の言葉を入れます。
各季節ごと、月ごとに時候の挨拶例はたくさんありますが、一年中通用する言葉として「時下」という言葉があります。「時下」とは目下、現在、この頃などという意味になるので、季節の様子に代えて使用することができます。
たとえば「時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」「時下、皆様におかれましてはますますご活躍のこととお慶び申し上げます。」というような書き方になります。
本来なら文頭の時候の挨拶としては
季節ごと、月ごとのその時の様子を入れるものですが、「何々の候」などという表現が華美に感じる場合には簡素化して「時下」という言葉を使うことで問題はないのです。
そして「時下」という言葉を使った時には「何々の候」を使わないようにします。「時下」だけで「この頃」「今」という意味になるのでそこにまた「盛夏の候」などと続けると重複してしまい、くどい感じになってしまいます。
しかし「時下」という言葉は日常的なビジネスレターや文書などに良くつかわれ、一般的なお礼状や個人間の手紙などには「盛夏の候」などの時候の挨拶を用いる場合が多いです。
ただ、病気や災害の情報を聞いてお見舞いのために送る手紙は相手が改まった相手であっても時候の挨拶は不要で、「前略」や「急啓」から始まり「突然のご病気との報に接し、大変驚いております。」という書き出しで始まります。
そしてこのように時候の挨拶や「時下」から始まるような文頭から始まるような手紙や文書は、目上の方や上司、親戚の方など改まった相手様や社内の方たちや何かの会の方たちの方皆さんに読んでいただく場合に使用します。
また友人や同僚など
親しい間柄の相手に送る文書や手紙の場合は「寒さが厳しいですがお変わりありませんか」「その後いかがお過ごしですか」など改まった挨拶でなくてもよいでしょう。
そして改まった方に送る場合は本文でも敬語や丁寧語を用いた文章を書き、文末に再度「寒さに向かう季節、お体に気を付けてお過ごしください。」「暑さ厳しき折り、ご一同様のご健康をお祈り申し上げます。」「さわやかな季節です。ますますのご活躍をお祈りいたします。」などの言葉で結ぶようにします。
最近は携帯電話やパソコンの普及で多くの人がメールをすることができるので、手紙を書く機会がずいぶん少なくなりました。メールは文字を入力すればすぐに相手に届き、相手からもすぐに返事をもらえその後も言葉のやり取りをすることができるので便利です。
しかし、自筆で書かれた
手紙というものはメールの文字よりも温かみがあり、その人の字を見てその人を思い浮かべることができます。また何度も読み返せたり、ずっと大切に保管しておくこともできます。
特に親しい間柄の人ならメールで簡単にやり取りをすることで済むことでも、御中元やお歳暮などを贈っていただいた方や、お世話になった方へのお礼など感謝の意を表したり、謝罪の言葉を述べるときなどもメールで送るよりも手紙に自分の字で書く方がずっと心がこもっていて、気持ちは通じやすいのです。
マナーとしても
目上の方や上司の方など改まった相手様に対しては、感謝や謝罪の言葉を伝えるときにメールでは失礼にあたることもあるので、きちんと文頭の挨拶も考え、言葉を選びながら手紙を書いて送ることで誠実さや気持ちが伝わるものです。
なかなか手紙を書く機会も少なく、さらに改まった相手に書く場合にはどのように書き出し、どのような文章を書き、そのような結びで終わらせるのが良いかわからなくなってしまうこともあるでしょう。
そのようなときには書籍やインターネットの検索で文例を見ることができるので、そのようなものを参考にしながら正しい手紙の書き方を身に付け、相手様に失礼のないような文章を書いて送るようにしましょう。
いくらメールで済ませられる時代になったとはいえ、「手紙」はまだまだ健在です。いつ手紙を書く機会が来てもよいように手紙の書き方やマナーを知っておくことが大切です。