刑事事件の謝罪文の書き方
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刑事事件を犯してしまったら、または刑事事件を犯したことを認めたら、まずは被害者の方やその家族の方に心を込めて謝罪することです。このような謝罪は簡単なようでなかなかできることではないかもしれません。
謝罪文を書くにあたっての心構え
刑事事件を犯してしまったら、または刑事事件を犯したことを認めたら、まずは被害者の方やその家族の方に心を込めて謝罪することです。このような謝罪は簡単なようでなかなかできることではないかもしれません。自分に都合が悪いことには一切触れずに済ましたいという気持ちがあるかもしれません。
しかし、罪を犯してしまったことの事実により傷ついている被害者に対して、ごまかしたり嘘をついた文面で謝罪文を書いてしまったら、被害者の方をさらに傷つけたり怒らせてしまったりしてしまい、問題をもっと悪化させ、深刻化させてしまうかもしれません。そのようなことは得策ではありません。
そもそも、被害者の方にとっては、ひどいことをした人とは二度と会いたくない気持ちがあり、謝罪文を書いても、被害者の方は読んでくれないかもしれませんし、もしかしたら受け取ってさえくれないかもしれません。しかし、謝罪文を書くことの意味や意義はそれだけではなく、謝罪文を書くことによって、自分がなぜ、その事件を起こしてしまったのかの原因や理由を再認識する場として、自分がそれによって、
いかに悪いことをしてしまったということを考え、心から反省をする場として、被害者の方が、事件が起きてしまったことでどのように苦しんできたか、または苦しんでいるか、被害者の方の悲痛な気持ちを真摯に受けとめてそして考える場として、また、このような事件を二度と繰り返すことはないことを誓う場として、文面にするということは、非常に大切なことです。
謝罪文を書くにあたり注意するべきこと
刑事事件を犯してしまったときの謝罪文を書くために注意したいことは、普通にある便せんや封筒で構いませんが、できるだけ紙質の良い白無地のものを使うといいでしょう。キャラクターの絵が入っているものやカラフルな色や模様の入っているものなどは、ふざけていると受け取られてしまうかもしれないので絶対に使用してはいけません。
書く方向は縦書きでも横書きでも構いません。表題は「謝罪文」と書きましょう。宛名は、被害者の方が知人などでお互いをよく知っているような場合は、相手の名前に「様」をつけて書きましょう。しかし、相手の名前を知らない場合や、被害者の方が自分の名前を知られたくないであろう場合には、「被害者様」、「被害者様ご家族様」と書きましょう。
被害者の方が未成年だった場合に、両親などに宛てて書く場合は、「保護者様」という書き方をしましょう。書き入れる位置は本文の冒頭部分で、縦書きなら上側に書き、横書きなら左側に寄せて書きましょう。被害者の方を始めとする事件関係者が見るということを意識した上で、読み取りやすい字でていねいに書きましょう。
誤字や脱字にも気をつけなければなりません。もしも字などを誤って書いてしまった場合には、二重線などで訂正せずに、最初から書き直してください。形式として特に注意しなければならないことは、「謝罪文」という表題を書くことと、宛名を書くこと、清書した日付と、差出人の署名を書くことの4点は、しっかりと忘れずに書いてください。
謝罪文に書くべきこと
被害者の方に事件を起こしたことを素直に認め、被害者の方が、被害にあってどのような気持ちでいるかということを考え、悲しい気持ちや辛い気持ちに自分がさせてしまったことを、まずなによりも先に、率直に謝罪の言葉を述べましょう。また、事件のことについて何度も事件に関係した場所に足を運んだり、
何度も質問を受けたりして大変な迷惑をかけてしまったことを心から謝罪しましょう。そして、被害者の方の被害状況を気にかけましょう。例えば、自分が原因で相手にケガをさせてしまった場合に、相手や相手のケガのことを心配して、そのことについて聞くのが普通です。それと一緒のことで、心からの反省の気持ちが本当にあれば、
被害者の方の状況が、誰に何を言われたわけでなくても、自分で自然に気にかかることでしょう。あとは、自分がしてしまったことの原因や動機や理由などを書きます。それらが、とても身勝手なことであり、それを心から思い知ったことを書きます。そして、今後の被害弁償の方法を書きます。なるべく具体的に書けるとよいです。
最後に、自分がしてしまったことの非を認め、深く反省するということと、くれぐれも深くおわびする謝罪の言葉とともに、二度とこのようなことをしないという、誓いの言葉を書きましょう。謝罪の言葉は、文面中で、何度でも書いてもいいです。とにかく大切なことは、被害者の方の気持ちを理解することに努力し、気持ちが少しでもほぐれるように、心を込めて、一生懸命に書くようにすることです。
謝罪文に書いてはいけないこと
よく、「お許しいただければ幸いです」というような表現がありますが、謝罪文とはあくまでも謝罪をするためのものです。なので、許すかどうかということは被害者の方が判断することです。許してくださいというようなことを書いてしまったために返って被害者の方の気持ちを逆なでしてしまうことがあります。
「食べ物が喉を通らないほど苦しんでいる」とか、「許してもらえないと、家族や仕事や家を失ってしまうことになる」など、これらは自分の側だけの都合であり、被害者の方にはまったく存ぜぬことだし、被害者の方のほうが段違いで苦しんでいることを考えもせずに書いてしまうと、これではただの自分本位な文章になってしまいます。
また、事件を起こしたいきさつや理由などを書く場合に、被害者の方が認識している事実と違ったことを書いてしまうと、言い訳をしていると感じられてしまうこともあります。また、被害弁償の方法を書く場合に、なるべく具体的に書いたほうがいいのですが、できないことまでも書いてしまうことは約束を破ることになってしまうので、
できることだけを書きましょう。なにより、被害者の方に謝罪の気持ちが伝わらない文章だと意味をなさないものになってしまうので、自分の謝罪の気持ちを前面に出し、自己弁護するようなことや、言い訳に聞こえてしまうこと、
自分本位になってしまうようなことは決して書かないようにしてください。特に考えてほしいことは、「反省しているという態度を見せればよい」とか、「謝罪文を書きさえすれば罪が軽くなる」などという気持で書けば、それらの気持ちは文面に出てしまうかもしれないということです。