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ビジネス文書や目上の人に対する新書などでは、通常の会話よりもさらに丁寧な言葉を使う必要があります。しかし、文書にして相手に送る場合、ゆっくり調べることはできますが、相手にその文書がいつまでも残ることになってしまいますので、失敗は許されません。
ビジネス文書などには
時候の挨拶や頻繁に使用する言葉、定型文などがありますが、これらをただ単につなぎ合わせただけでは気持ちの伝わらない文章になってしまいます。
最初のうちは覚えることが多くなって大変ではありますが、一つ一つの言葉や定型文の意味を正確に把握して、適切な使い方をすることで、全体的に失礼のない文書でありながら、相手に内容も伝わりやすいものを作成することができるようになるのです。
文書だけでなく、会話でもよくつかわれる「申し上げます」という言葉は、よく知られているように「言う」という言葉の謙譲語です。謙譲語というのは、自分を下の立場としてへりくだることにより、相手の立場を高くするという謙遜表現ですので、尊敬語や丁寧語とは異なる使い方になります。
実際の「言う」の謙譲語は「申す」ですが、これにさらに敬意を添えるための補助動詞である「上げる」と丁寧語である「ます」を付けることにより、さらに相手に敬意を払っている、恭しく言葉を伝えるという意味合いを強くしています。そのため、この言葉は全体的に丁寧な言葉を使っている文書でなければかえって悪目立ちする恐れがあります。
この言葉以外の文書がくだけたものであったり
なれなれしい表現になっているようなときには、例文から引用した一文であることが知られてしまいますので、前後の文章とのつながりを考慮してい用いるようにしましょう。
一方で、ビジネス文書や目上の人に対する新書などでは頻繁にこの言葉を使っているため、本来の謙遜表現とは別に、一つの定型句として使われるようにもなっています。
たとえば、「厚く御礼申し上げます」や「お伝え申し上げます」などといった使い方がそれに該当し、丁寧語の「御」などの付いた体言に、「申し上げます」をつけて、「○○して差し上げます」や「○○させていただきます」といった意味合いで用いられるようになっています。
これらは、「厚くお礼を言わせていただきます」、「お伝えさせていただきます」といった意味になりますが、一種の定型文となっており、この例文のような書き方だけで意味が伝わるようになっています。このように、この単語は非常に使い勝手がよいですが、例文と実際の意味を比べてもわかるように、スマートでありながら非常に丁寧な印象を与えます。
そのため、ビジネス文書などでは積極的に使用したい言葉ではあるものの、日ごろ親しくしている友人に手紙やメールを送るような場合に使用すると、やはり違和感が残ります。
文書を書くときには
相手の立場や距離感、文書の内容などが重要になりますので、改まった文書で書く必要がある場合には積極的に使う必要がありますが、そうでないときにはほかの言葉でやや打ち解けた表現にするのもよいでしょう。
仲の良い友人にお礼を言うときなど、普段の手紙等であれば「先日の○○はとてもうれしかったです。ありがとうございます」といった書き方で十分ですが、冠婚葬祭に関する改まった文書の場合には、「先日の○○は非常にありがたく、心より御礼申し上げます」といった書き方にした方が自然です。
このように、同じ相手に対しても距離感や文書の内容によって上手に使い分けることができるようになると、上手なビジネス文書や手紙を作ることが可能になります。時候の挨拶などに含まれていることがありますので、その後の文書で多用しないように気を付けましょう。
例文はいろいろありますが
時候の挨拶としては、「拝啓 寒暖の寒さ厳しき折、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」などのように、出だしでほぼ確実にこの言葉を使用します。
また、何かを依頼するときの文書の中でも、「先だってお願いしておりました○○につき、再度ご一考くださいますようお願い申し上げます」などのように、お願いという言葉につけるのが一般的です。また、結びの文の中でも、「皆様のご多幸とご健康を心よりお祈り申し上げます」のように使用することがよくあります。
さらに、「略式ではございますが、取り急ぎご連絡申し上げます」のように使うこともあります。こうしてみると、この単語は一つの文書の中でもほぼ確実に複数回使用することになりますので、本文中で多用するとしつこく感じられる可能性もあります。
このような場合には、文書の内容に応じて「○○いたします」などの言葉をうまく組み合わせて、何度も同じ言い回しを重ねないようにするとよいでしょう。たとえば、「○○の資料を拝送いたしますので、ご査収方よろしくお願い申し上げます」といった書き方にすると、一文の中に二回使わずにすみます。