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意外と知られていないことですが、時効というのは漫然とその期日がすぎれば成立するというものではなく、時効の援用を主張しなければなりません。口頭では主張したという証拠が残りませんので、一般的には時効援用通知書を内容証明で発送します。
時効の援用を主張するメリット
時効を主張することで、法的な支払い義務がなくなることになりますので、合法的に借金を払わずにすみます。もちろん、今後は借金の請求をされることもなくなりますので、債権者からの連絡におびえる必要もなくなりますし、自分に万が一のことがあったときに身内に借金を相続させるようなこともなくなります。
時効が成立すると、いつでも援用の主張ができるようになりますが、後述の時効の主張で気をつけることについては確認しておきましょう。できれば、時効が成立してからは早めに手続きをとっておいたほうが、思わぬミスから時効を中断させる心配もありませんので安心です。
時効援用通知書の書き方と例文
時効援用通知書は、対外的にも時効の援用を主張したということを証明できる内容証明・配達証明の郵便で送ったほうが良いでしょう。これは、同じ文面を三通作成して、差出人、受取人、郵便局でそれぞれ書類を保管するというものですので、どういった内容の文章を送ったかということが後々証明できます。
また、配達証明は確かに相手方に配達したという郵便局からの証明書を受け取ることができますので、その後裁判などになったときにも有力な証拠として利用することが可能です。具体的には、時効の援用を主張したうえで、今後の取立てや請求行為をしないことや、信用情報センターのブラック情報の抹消も求める内容にします。
また、債務者本人が知らないうちに、親族などの第三者への代払い請求や、時効完成後の支払督促などの法的手続きをしないように求める文言も入れます。一方で、この手続きの場合には完済したときとは違い、支払い義務がなくなるという内容ですので、借用書や契約書などの返還依頼はしません。
例文としては、「貴社は私に対し、貸金の請求をしておりますが、私が貴社より借り受けた金員は最終弁済期日より既に○年以上が経過しており、時効が完成しております。」という時効成立の明示とともに、契約番号や自分の生年月日、現在と名字が異なる場合には旧姓などを書き添えます。
そして、「つきましては、私は貴社に対し、本書面を以って消滅時効を援用させて頂きますので、今後一切、私に対する請求は行わないで下さい。万が一、電話やFAX・文書・訪問その他、方法の如何を問わず、取り立て行為が発覚した場合には、貸金業法第21条、又は刑法第249条・同250条の違反行為として、刑事告訴などの然るべき法的手段をとる所存ですので、ご承知おき下さい。」のように、取り立て停止の申し入れをします。
さらに、「なお、もし貴社において時効中断処置を講じているとの主張をされるのであれば、その旨を証拠資料とともに、書面にてご回答頂けるよう、お願いします。」と、相手方の反論についても一応確認しておきます。そして、「本書面受領後、遅滞なく、信用情報センターに対して、事故情報の抹消など適正な情報登録を行って下さい。
万が一、適切な措置を講じないがために経済的な不利益や損害を被った場合には、別途、損害賠償請求をする場合がありますので、ご注意下さい。もしも貴社が、法律上の利害関係が無い親族からの代位弁済などを受けていたような場合には、債務者の意思に反する弁済として、これを取り消し、別途、弁済者より不当利得返還請求を行う場合も御座います。
また、貸金請求の訴訟や支払督促などの法的手続きを行われた場合には、別途、虚偽訴訟に対する損害賠償請求をするなどの然るべき法的手続きを行う所存ですので申し添えます。」と添えておくと安心です。
時効の主張で気をつけること
時効が成立するのは、最終的な取引があってから一定年数経過した時点となります。貸金業者などの債権者にとっては、時効が成立するということは貸金の回収ができなくなるということにつながりますので、当然それを阻止しようとします。
ここで注意したいのが時効の中断事由で、時効が成立する前に借金があることを認めたり、1円でも支払いをすると時効が成立しなくなってしまいます。例えば、5年で時効が成立する案件の場合、5年以内に1円でも返済をすると、その時点から再度時効が成立するまで5年間必要になります。
業者もそのあたりは心得ており、時効が成立する直前に郵便を送ってきたり、かなりの少額で返済を迫ってくることなどがあります。その場で対応せずに、弁護士や司法書士といった法律の専門家のところに相談にいってみた方がよいでしょう。また、時効成立前に訴訟などで債務名義を取られた場合には、やはり時効の期間が延長してしまいます。
一般的には、利用者が支払いをしなければまず督促や請求、それに応じなければ訴訟で時効を引き延ばすという対応がほとんどですので、長期的になることは避けられないでしょう。このように、時効の主張は放置しておけばよいというものでもなく、いい加減な対応では足元をすくわれる恐れもあります。できれば、専門家に相談して適切な対策をとって、安心できるような状態にしておく方が、後々の不安も払しょくできます。