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巻紙というのは、半切り紙を横長に繋ぎあわせたもので、主に書簡などに使用されていました。最近では繋ぎ目のない、一枚紙を巻いたものや、サラサラと書きやすい繊維で作られているものなどがあります。
巻紙を使用するのはどんな時か
巻紙というのは、半切り紙を横長に繋ぎあわせたもので、主に書簡などに使用されていました。最近では繋ぎ目のない、一枚紙を巻いたものや、サラサラと書きやすい繊維で作られているものなどがあります。また、筒状に丸めるタイプのものよりも書きやすい折りたたみタイプのものもあります。
折りたたみ巻紙はパタパタとノートのように開閉出来るので読みやすく、また持ち運ぶ際にもかさばりにくいというメリットもあります。このような巻紙は、書道に精通した方などであれば、写経を書いたり、作品を制作する際に使用されることもありますが、個人的な目的で使用することは滅多にありません。
一般的に使用されるのは、祝辞、弔辞、謝辞といった、送る相手がいる場合で、なおかつかなり改まった状況であることが殆どです。そうなると、あまり自分には関係のないものに思えるかもしれませんが、意外にも思わぬタイミングで書く必要に駆られることがあるものです。
例えば、お子様が卒業式の送辞や答辞を読まなければならなくなることもあります。また、身近な方がお亡くなりになった時に、急に弔辞を頼まれることもあるかもしれません。こういうものは正式な文書として扱われるものですし、殆どの場合長期保存されることになります。
巻紙を使用して文章を書くというのは、普段の生活で滅多にないことですので、なかなか難しいものです。しかし、万が一の時にもあたふたすることがないよう、きちんとしたルールを知っておく必要があります。
巻紙に書く際の用具について
巻紙は和紙で作られているものですので、普段使っているマジックやボールペンといったもので書くのは不適切です。余程のことがない限り、筆を使用して書きます。本格的に書く場合、最低限用意するのは筆、墨、硯、そして巻紙です。筆は小筆を使用します。小筆にも様々なものがありますが、普段毛筆に慣れていない方はある程度コシの強いタイプの筆を選ぶ方が書きやすいでしょう。
イタチ毛などが初心者にはお勧めです。墨を磨って使用してもいいですが、巻紙に書く場合は長文になることが多く、大量の墨が必要になりますので墨汁を使用する方が時間短縮になります。巻紙用の下敷きというものも販売されていますので、文字の歪みが気になる方はそういったものを使用されるといいかもしれません。
もっと手軽に書きたい場合にはやはり筆ペンがお勧めです。ペンを持つ感覚でサラサラと書けますし、用具の手入れなどが不要なので便利です。筆ペンにも様々なタイプのものがあり、サインペンのようなものも販売されていますが、出来れば毛筆タイプのものを選ぶ方がいいでしょう。最近ではサインペンタイプのものでもトメ・ハネ・ハライがきれいに書けるようにはなってきましたが、
やはり年賀状などの小さな紙に書く場合に特化しているものです。巻紙はある程度の大きさの字を書く必要がありますので、どうしても穂先が小さくなりがちなサインペンタイプの筆ペンは不向きです。毛筆タイプの中でも、中字以上の大きさのものを使用するのがお勧めです。弔辞を書く場合には薄墨のタイプのものを使用するようにしましょう。
折りたたみ巻紙に書いてみよう
初めて巻紙を使用する際には、やはり折りたたみ巻紙の方が書きやすくてお勧めです。あらかじめ罫線が入っているものもあれば、用紙に罫線入りの下敷きが同封してあることもあります。書くのは紙のツルツルした方で、こちらが表面になります。書き方は、まず一番最初の折り面は余白として丸々空けておきます。
普通の巻紙の場合は余白分として約10センチほどの間をとっておきましょう。そして「答辞」や「弔辞」といった表題を次の面の中心部分に大きく書きます。本題は3面目から書き始めることになります。一折り目につき、2〜3行になるように書いていきましょう。用紙いっぱいを使用して書くのではなく、上下も1.5センチほどの余白を空けて書く方がきれいになります。
途中で用紙が足らなくなってしまった場合、紙を継ぎ足しても構いません。その場合、出来るだけ谷折りの部分で継ぎ足すようにしましょう。新しく足す方を下側にして、5〜8ミリほどののりしろを取って貼りあわせます。本文を書き終えたら、次の折り面に日付、所属名、自分の名前を記入します。手紙と違って、この日付は書いた日ではなく、その巻紙を実際に使用する日を記入するようにしましょう。
本文よりもやや下方から書き始め、文字も小さめに書くようにします。最後に再度余白をとります。一番最初に空けた余白よりも短めの間隔にしておきましょう。およそ6〜8センチ程度で大丈夫です。用紙が長すぎた場合は、カッターなどで丁寧に切り取っておきましょう。
折りたたみ巻紙を包む
市販の巻紙を購入すると、殆どの場合上包みが付属してくることがありますが、もしなければ奉書紙を使用します。もし奉書紙が大きすぎる場合は、あらかじめ二つ折りにしておくといいでしょう。上包み用の紙を広げ、中央に巻紙を置きます。その際に、表面が下側にくるようにしましょう。
左側から右側に向けて3分の1を折り曲げ、その後右側から左側に重ねて折ります。その際、左端に5ミリほどの隙間が空くように、若干短めに重ねるようにしましょう。慶事の場合、開く際に右開きになるようにするのが一般的な折り方ですが、弔辞の場合は左右が逆になりますので注意が必要です。
これは巻紙にかかわらず、一般的な手紙の場合も同様ですので覚えておくと便利です。洋封筒などでお悔やみの手紙を出す場合には縦書きにし、開封口が左側になるようにしましょう。上包みの上下もある程度の余裕を持たせて、均等に裏側に折り返しておきましょう。購入時に付属していた上包みの場合は、折り目まであらかじめつけられています。
慶弔に合わせて、正しい向きで使用するようにしましょう。そして包みの中央に合わせて「答辞」「祝辞」「弔辞」といった表題を記入します。表題の位置は上包みの中央部分よりも若干上の方になるようにしましょう。そのままでも構いませんが、氏名を記入する場合には、表題の下側に間を空けてやや小さめの文字で書くようにします。滅多に書くことはないものの、いざという時には非常に大切なものですので、正しいマナーを心がけて、丁寧に書くことが大切です。