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所得税の確定申告をしなければいけない人が、年の中途で亡くなった場合には、亡くなった日から4カ月以内に準確定申告を提出しなければいけません。
準確定申告とは
準確定申告の書き方は、原則として通常の確定申告と変わりません。違いの一つは、確定申告書のタイトルには通常、”確定”や”修正”などの文字が入りますが、準確定申告では、”確定”の前に準の一字を加筆します。
なお、会社は事業年度を定款で決めることができますが、個人事業者の場合、会計期間は1月1日から12月31日までの1年間です。ただし、亡くなった年は、亡くなった日でその会計期間は終了します。
その年の税金の清算は、所得税に加えて、消費税も課税事業者であれば、所得税と消費税の申告が必要で、申告、納税の期限も同じ、亡くなってから4カ月ですが、”準確定申告”という表現は所得税に限って使用します。
税金の種類について
確定申告や修正申告などは、すべての税目で手続きがあるので、〇〇税の確定申告・修正申告といいますが、準確定申告といった時点で、所得税以外にはあり得ません。また、税金には、国に納める税金(国税)と地方自治体に納める税金(地方税)があります。
個人の所得にかかる税金は、国税の所得税と地方税の住民税です。所得税の確定申告を提出すると、申告内容は住所地の地方自治体にも共有されます。地方自治体は、確定申告書の内容を基に5月頃に住民税の計算をして、6月から1年間、4回に分けて納付する住民税の課税通知と納付書を送付します。
そのため、住民税の課税の対象は1年ずれていて、平成26年分の住民税は、平成25年分の所得に対する課税です。余談ですが、その為、退職したり、所得が大幅に減少した年は、前年の所得に対する住民税を納めなければいけないので、負担が重くなります。
ただし、住民税の納税義務者は、その年1月1日に住所がある人です。亡くなって、準確定申告を提出した場合、既に納税額が確定している、前年分の住民税の納付義務はなくなりませんが、亡くなった年の所得については、住民税は課税されません。
(たとえば、平成27年中に亡くなった場合、平成28年分の住民税の課税対象ですが、平成28年1月1日で、すでに他界されているので、住民税の納税義務自体がなくなっています)
準確定申告の書き方
準確定申告の書き方は、基本的な部分で通常の確定申告と同じですが、相続人が連名で申告を作成したことを示す準確定申告の付表という書類を添付します。準確定申告の付表で、相続人全員の氏名と住所を記載し、押印をするとともに、相続人代表を指定します。
なお、この場合の相続人代表は、対税務署の手続きの窓口を指定するものであり、相続財産が誰に行くかなどにはかかわりがないので、暫定的に決めても支障ありません。申告書の書き方とともに、気を付けなければいけないのが所得の計算方法です。
現金の売上や仕入れのように、日々出納するものは、生前と亡くなった後で、生前の事業者と、亡くなった後に事業を引き継いだ人にそれぞれ帰属します。家賃収入のように、月単位の契約に基づく収入については、亡くなった日が属する月について、死亡した人か、
事業を引き継いだ人にするかを決めて、合計で12カ月になるようにします。減価償却費や、前払費用の月数按分などの費用についても、1月から亡くなる月までの月数按分で計上しますが、固定資産税や自動車税については、原則として賦課期日で損金算入なので、
月割りの按分は必要ありません。また、給与所得、年金所得等については、源泉徴収票が必要です。4カ月という期限があるので、年金を受給しているかたがなくなった場合は、死亡届を出して、源泉徴収票の交付を依頼しましょう。
所得計算の次は所得控除についてのルールです。所得控除の判定は原則的に年末時点で行うので、年間38万円以上の所得がある親族は配偶者控除や扶養控除ができません。ただし、死亡した年分の判定は、死亡した時期で行うので、例えば5月に亡くなって、
5月までの所得が38万円を超えていない配偶者や扶養親族は所得控除の対象です。たとえば、5月に亡くなって、6月以降の家賃収入をそれまで専業主婦だった妻が相続して所得が生じた場合でも、この年の準確定申告では配偶者控除ができます。
申告期限に注意する
人が亡くなると、葬儀や初七日、さまざまな手続きで、四十九日までは本当にあっという間に過ぎてしまいます。相続税の申告期限は、亡くなってから10カ月なので、一息ついてから、財産の分割について話し合う時間もありますが、準確定申告までの期限は4カ月です。
通常の確定申告が12月31日までの分を3月15日までに、まるまる二カ月と半分で計算をするのに比べると少々余裕がありますが、一人ではなく、相続人同士が確認をする必要も考えると、日数に余裕があるとは言えません。
四十九日で、法要などが一通り終わったら、税金についての手続きが必要なことも相続人間で話し合いましょう。源泉所得税や予定納税があって、還付金がある場合は、大きな問題はありませんが、納税額が出る場合は、納税資金についても話し合いが必要です。
死亡によって銀行口座は止められているので、だれかが立替払いをして、相続財産の分配の過程で清算をするか、または、亡くなった人の口座から納税する場合は、相続人全員が同意していることを、金融機関に知らせる必要があります。
金融機関は、相続のトラブルに巻き込まれないように、たとえ妻や子であっても、ほかに相続人がいる場合は、相続人全員が合意していることを確認できないと、資金の引出しはできません。逆に言えば、相続人全員が同意していれば、資金の引出しは可能です。
その場合、死亡した人の、生まれた時から亡くなるまでの戸籍をすべて取得して、全部の相続人を確認します。この手続きは、相続財産の分配の一部として、協議分割をする場合と同じ方法です。
なお、準確定申告書を作成、提出するのは、死亡した人本人ではあり得ないので、相続人の代表が代行して作成、提出します。また、亡くなった後の所得については、相続財産の分割内容によって、だれに帰属するかが決まるので、分割協議の中で話し合います。
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