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親族書とは、結納の際に家族を紹介するため、予め作っておく文書です。結婚は家と家との繋がりが生じますから、婚約相手の家族も紹介する必要あるでしょう。
結納に必要な親族書とは
親族書とは、結納の際に家族を紹介するため、予め作っておく文書です。結婚は家と家との繋がりが生じますから、婚約相手の家族も紹介する必要あるでしょう。親族書はこの紹介の為に作られるもので、婚約相手の家族は、この習わしを通じて、相手方の一族にどのような人々が居るのかを知る事ができるのです。
結婚を望む2人の間で婚約を交わした時点なら、両家の家族が2人を知っている場合もあります。また、お互いの家族についても知っている場合もあるでしょう。しかし、まだ深い付き合いをしている訳ではありませんので、お互いの一族についてまでは、よく知らないものです。結婚が行われると、両家の間には深い関係が結ばれます。
お互いの家の親族とも、節目節目に顔を合わせる事になりますので、先々まで続く深い付き合いが始まるでしょう。だからこそ、両家の間で親族の紹介を済ませておくことは、良好なお付き合いを始める為の大切な過程と言えます。実際に作る時は、家族書という別の紹介書と共に奉書を用いて作るものです。出来上がった2つの紹介書は、しきりの日か、結納式の日かに両家の間で交換する運びになるでしょう。
作り方には様々な方法があり、自分で作る方法も、業者に代筆を頼む方法もあります。いずれにしても、基本的な書き方のルールやマナーをよく守って、しっかりした形に整えなければいけません。両家がお互いの一族を知る最初の機会になりますので、両家が気持ち良く交換して、幸先の良いお付き合いの始まりをできるようにしましょう。
親族書の基本的な書き方
親族書の書き方の基本として、家族書との区別を明確にする必要があります。2つの紹介状は、いずれも両家の一族を紹介する為に作られるものです。家族書が自分を基点に二親等までの、親族書は三親等までの一族を記すものとなっています。こう言われると、2つの内容が重複していると思うかもしれません。
しかし、親族書には「家族書に記された方以外の名前を書く」という違いがあります。2つを区別する例として、6人家族の場合を想定してみましょう。父母と共に実家で暮らして、兄は結婚して別居中、妹は未婚で自分と共に実家に居住している6人家族です。また、父母にはそれぞれ祖父母がいて、父には兄が、母には妹がいて、
それぞれに配偶者がいるので、結婚する本人を基点に考えると3親等内に合計で14名の一族がいる事になります。この場合、家族書に記載するのが確定するのは一親等にあたる「父母、妹、(婚約する)本人」の4名です。一方、親族書には三親等である「伯父叔母と、両者の配偶者」の4名を記載するのが確定します。ここで注意すべきなのが、祖父母と兄夫婦の記載です。
祖父母は二親等、兄夫婦も結婚して別居しており、二親等の扱いになります。この状態にある人物は、どちらに記載すべきか少し迷う状態にあると言えるでしょう。実際に家族書に記載するか、親族書へ記載するかは、その時々の状況や家族の判断で異なっているものです。一般に、祖父母は「一緒の家で暮らしているかどうか」で、兄は家族の判断で決まります。場合によっては家族書だけ交換する事もありますので、それも踏まえて考える必要があるでしょう。
親族書の上手な書き方
親族書を作成するにあたっては、決まったルールやマナーを守って名前を記していきます。三親等までの親族という決まり事以外にも、相手方が読みやすく理解しやすいように、書き方の順序を守って書かなければいけません。記入例として、先に挙げた6人家族ならどう書くべきかを考えてみましょう。
今回は、兄夫婦、伯父と配偶者、叔母と配偶者の6名を記載する事とします。名前を記載するには、まず記載の順番を判断しましょう。基本的には父方から母方へ、年齢が高い方から低い方へ、男性から女性へと記していきます。ただし、例として挙げた家族は、兄を親族書に記す事になっています。この場合は兄夫婦を、他の親族より先に記載するようにしましょう。
以上の条件で整理すると、名前の記載順は、兄と配偶者、祖父母、伯父と配偶者、叔母と配偶者の順番になります。実際に親族書へ書き入れていく時は、基本的にはまず、奉書の右端に大きく「親族」もしくは「親族書」と書くものです。次に兄夫婦の住所を書き、その後に「兄 名前」と、隣に「兄嫁(義姉) 名前」と書きます(嫁や義理の身分は書かない事もあります)。
兄夫婦の次は、父方と母方に分けて親族を書きましょう。まず、父方から始めるので、名前の前に「父方」と書いて、父方の親族である事を明確にします。名前は兄と同様に「祖父 名前」と、隣に「祖母 名前」と書くのが適切です。
以後、この要領で順番に書き進めてけば問題ありません。「伯父 名前」と隣に配偶者の名前を書けば、父方の記載は終わりです。ここから先は母方の紹介ですので、「母方」と書いて、そこから先を母方の親族の紹介とわかり易くします。書き方は父方と同じ要領ですので、順序良く書き進めれば大丈夫です。
親族書の書き方まとめ
親族書は、結納を行う両家にとってお互いの親族を紹介する大切なものです。婚約自体は本人同士でもできますが、結婚を行えば両家の家族同士の付き合いも生じます。この為、家族同士で行う正式な婚約である、結納が必要不可欠となります。この時、親族書はお互いの一族を紹介する最初の機会になるのです。
現在は一族の構成と名前とを紹介する記載内容が多くなっていますが、かつては出身や職業等を事細かに記していたほどで、結婚に際して、お互いの家が親族をどれだけ大切に考えていたのかがわかるでしょう。交換する際も台に乗せて行い、手渡しをしないように、取り扱いも慎重に行われます。
作り方も上包みで丁寧に包み、慶事の水引で綴じるように、細心の注意を払って作られるものです。一見、堅苦しく扱いの難しい慣習に見えますが、親族書はお互いの家族が、お互いの一族についてわかり易くまとめられた文書となっています。作り方は、お祝い事を祝うのに適切な方法を整理したものですし、
交換の作法も、お互いが気持ち良く晴れの日を迎えられるように段取りが決められています。親族書があるからこそ、両家がお付き合いをスムーズに始める事ができますし、折り目正しく交換するからこそ、必要な事を滞りなく行えるものです。
決して不必要な習慣ではなく、いずれ結婚するであろう2人の為に、また、これから深い付き合いを始める両家の為にやるべき事を、洗練させていったものと言えます。両家の一族が心から結婚を喜び、新郎新婦の幸せを祈るために作るべきものを作り、行うべき事をしっかりと行うのが大切です。