看護のケースレポートの書き方
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英文手紙の書き方
英文手紙は日本分の手紙同様、書式の各部位にも決まった形式があります。先ず始めに差出人の住所を書きます。一行目には番地と居住番号、町村名や何丁目等を書きます。二行目は都市区名...
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「心身ともに」の意味と例文と書き方
文章の基本的な使い方で、「心身ともに」という言葉をどんな風に使うかをご紹介します。そのためには、この言葉の持つ意味をしっかりと把握しておくようにする必要があります。 &nbs...
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予告を入れることで内容が入りやすくなる
映画やテレビドラマ、バラエティなどをみるとき、よく目にするコマーシャルですが、実は文章を書くときの書き方も、このコマーシャルを上手に利用することで劇的に読み手にとって入りやすい文章...
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身上書の書き方・見本
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不動産の使用料等の支払調書の書き方
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履歴書の書き方(見本)
新しい季節になると、卒業と同時に入学、就職などをすることになる人がとても多いといいます。そこで必要になるものが履歴書なのですが、その書き方をきちんとできていない場合がありま...
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研修の感想文の書き方
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お客様に対するメールでの詫び状の書き方
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上申書の書き方
上申書とは、様々なケースで書く事になりますが一般的には部下から上司に対して意見を書いた文書を提出する書式になります。もともと上申書は、中国から来たものです。天子に文書を奉る...
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起承転結を意識して文章を書けば書きやすい!
なかなか文章がうまく書けなくて困っている方は多いですが、そのような方にオススメの書き方が、起承転結を意識して文章作成するという方法です。 はじめに、文章が...
ケースレポート作成は事実をありのままに伝えることを主眼としています。担当した患者さんの事例をまとめることで、自分の行った看護を振り返り学びにすることができるものです。
作成する意義と経験年数による課題
ケースレポート作成は事実をありのままに伝えることを主眼としています。担当した患者さんの事例をまとめることで、自分の行った看護を振り返り学びにすることができるものです。看護師としての経験年数によって課題と意義が変化していくものですので、年数による書き方を見ていきましょう。
新人のケースレポートの書き方:「エビデンスを明解にする」多くの患者さんを同時に看ることになるため、目先の仕事に追われて学んだことも使いこなせない時期でもあります。一事例の看護をまとめることを通して、混沌としていた看護にエビデンス(根拠に基づいた医療であった)輪郭が現れ本人の経験として蓄積されていくことになるでしょう。
3年目~5年目でのケースレポートの書き方:「自分の傾向を知り新しい看護観を確立する」数年間看護師を続けていると、これでよいと考えていた看護に限界点を感じることがあります。上手くいかなかった理由を客観的に分析することで、自分の傾向を知り新しい看護観を確立するきっかけになるでしょう
5年目以降のケースレポートの書き方:「積極的に介入した研究的レポートを書く」経験を積み重ねてくると段々と自分のテーマを持つようになってきます。この頃は「こんな看護が効果があるのではないか」と積極的に介入して効果を見る、研究的なケースレポートを作成する時期でもあります。
ケースレポートの作成は大変ですがその時点での看護に際する自分の意識、行動を浮かび上がらせることで、取り組むほどに成長の手ごたえを感じられるものとなるでしょう。
看護診断を当てはめる
ケースレポートで扱う事例では、良い悪いの結果は問題となりません。重要なのは本人が十分に関わった事例であるか、残したいと強く思える事例であるかという点になります。またケースレポートでは問題の中で1つ、又は2つまでを診断を用いて掘り下げていくものです。最も印象に残った事例を選んでいきましょう。
内容が決まってからは、内容の展開を考えていくことになります。多くの事例は患者さんの変化などにより、いくつかの時期に分けることができるのではないでしょうか。そのような時期を見つけ区切ってから、その時にどんな介入をしたかを書き出してみましょう。それがケースレポートの展開となり、それらに看護診断に当てはめて膨らませていくことになります。
目標を考えてから、診断に対応して段階的な目標を設定してみましょう。看護計画(OP)は後づけで立てることになりますが、書き過ぎると読みづらくなるので必要最小限にとどめておきます。そして計画を実施した後のケア内容では、患者さんが目標にどれだけ近づいたかについて書いておきます。
文章の後半には、残された課題と看護の方針を示す部分も入れていくとよいでしょう。これで一つの時期における診断は解決され、次の段階の診断が出てくることになります。診断を使って事例を整理した後は、介入と患者さんの変化が一つの物語のように書きあらわせたでしょうか。この段階で事例展開がスムーズか、情報に不足はないかなど一度他の人に点検してもらうとよいでしょう。
自分と文献を用いた2つの考察を書く
考察とは生じた結果が予測通りであったか、なぜそのような結果が出たかを記述することです。自分の考えや関連する他の研究結果に基づいて展開していきます。場面に立ち会った本人こそ事例に基づいた考察が書ける人ですので、最初は自分の言葉で考察することをお勧めします。
区切った場面それぞれに見出しをつけて分かりやすくしながら、経験を振り返り思う存分書いてみましょう。自分の言葉と言っても事例の中に根拠が認められなければいけませんので、「この結果になったのはこうだったからだ」などと話を膨らませすぎないようにしてください。また事例にはその患者さん独特の反応もあったことと思います。
言い切ってしまう断言は避けて、「○○さんの場合は~であった」という表現にとどめておく方がよいでしょう。自分の言葉での考察を書いてから、文献を用いて考察をより深いものへとしていきます。先人の知恵や理論で説明ができること、同様の患者さんに応用できることを文献を使って証明していくことになります。
まずどんな文献で押さえればよいか、文献を探すキーワードを見つけてみましょう。オリジナルな考え方や記述内容は著作権で守られていますので、文献を引用したマークは引用箇所に忘れずに入れておきます。「1)」などの番号を付けておき、レポートの最後に文献リストを付けて対応できるようにしておきましょう。考察を文献で押さえることは自分の看護が知識体系に組み込まれ、確かな財産になったこと示すものでもあります。
「はじめに」を書き上げる
ケースレポートの「はじめに」は、「このケースレポートにはこんなことが書いてあります」と紹介するものです。「どんな対象のどんな課題に対してどの様な介入を行いどんな結果を得たので報告する」と、内容の概略を最初に示します。レポートの流れがスムーズであるポイントの1つは、本文が「はじめに」に沿っていることですので最終段階で書くのがいちばん効率的であるといえるでしょう。
この時注意する点としては、「はじめに」で述べていないことが本文に含まれていないかということです。そして1つの事柄に一貫した表現がなされているか、レポート内の文章が主語と述語を用いて分かりやすく述べられているかを確認してみましょう。ケースレポートで多いバラつき表現は、看護を「援助」「介入」など様々な言葉で表現してしまうことです。
読む人を混乱させますので、1つの事例は一貫した1つの言葉で表現していく必要があります。また文章は長すぎていないかを確認することも大切です。句読点でつながれた長い文章は主語と述語の関係があいまいになってしまいやすいので、短い文章になるように心がけましょう。レポートが完成した最後には、身近な人にレポートを読んでもらってください。
全てを一人で行うのは限界がありますので、最後は必ず他の人に見てもらうとよいでしょう。レポート完成には色々な手間ひまがかかりますが、完成させるたびに扱った事例が定着していくことになります。そして改めて振り返ることで、看護師が患者さんからいかに多くのことを学んでいるかに気づかれることでしょう。ケースレポートの作成を通じて得た学びを、今後の日常業務に生かしていきましょう。