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講演依頼文を用意してお願いするというのは、相手はかなりの著名人か、大学教授、コンサルタントといった具合でしょうから、招く方としてもそれなりのお金も用意し、それなりの成果がないと失敗ということになってしまいますから、成功裏に終了させるためには、講演依頼文といえども、意を尽くし、仕上げる必要があります。ポイントを分けてみると、次のようになります。
依頼する講演の内容に関する概略
ほとんどの人が多忙を極めている人ということになるので、時候の挨拶とかの書き出しのあとには、講演して欲しい内容を簡潔に記述して、お願いする人が冒頭部分で何を期待されているのかが分かるようにする必要があります。
詳細は後にしても、まず出だしで、どんなことを話したらいいのかがイメージできるようにしないと、先を読むのが億劫になってしまうからです。普通のお願い文書という場合は、順序立てて、お手紙風に、かれこれしかじかで、こんな状況で、これまでこんなことをやってきたが、今こんな課題があるので、という具合に文書を展開していきます。
文書形式も尊重して書いていくわけですが、本件のような講演依頼分の書き方のポイントは、冒頭部分で言いたいことがおよそわかるというように、いわば結論を頭に持ってくる文書形式では、後ろに結論の「尾括式」ではなく、「頭括式」の方が適切ということになります。
次は背景事情
およその概要を掴んでいただけたら、今度は、なぜそのような講演をお願いするかという、背景事情を詳しく説明し、依頼先の理解を深めてもらうこととなります。依頼先がいつも同じような講演だけを引き受けているわけではないでしょうから、沢山のレパートリーの中から、依頼テーマを選んだ経緯なり、狙いなりを説明します。
実際の講演での話のストーリーの組み立てを工夫してもらい、講演を盛り上げ、聴衆を引き付け、わずかな時間でしかるべきインパクトを与え、その後の意識や行動に期待している影響変化を与えるための重要な部分になります。ここも書き方としては、最初に結論ありきで、こういう現状で、こういう課題を解決したいとか、こういうことを強調してほしいとかということになります。
そして、そのことを補足するために、依頼元のこれまでに経緯や過去に手を打ってきたこと、うまくいっていないこと、それでも改善に兆しが出てきたことなども、参考にしてもらうために記述します。企業としてお願いする場合は、数年間の業績の推移の主だったところとか、業界におけるシェアの具合とか、位置づけなども記述しておくと依頼先の認識が深まります。
もちろん、企業としてあまり表にしたくないようなこともあるでしょうが、差支えない範囲でできるだけ詳細にした方がいいはずです。また、文書で会社の恥じになるようなことは書きたくないという気持ちはあるでしょう。
しかし、そこは先方にご内聞にお願いしますとか、よそでお話にならないようにお願しますとかの注意文言をつけた上で、できるだけ正直ベースの方が、効果的な講演という目的に近づけることができるはずです。
企業の沿革とは、風土とか、目につく社員の行動パターンなども、あけすけに記述するのがいいでしょう。どうしても文書に残したくない事情があるんであれば、概略だけを記述し、「詳細はお目にかからせていただいた折に、なお詳しくお話させていただきます」というような文言をつけておくといいでしょう。
参加者の状況
講演依頼文をもらった講師として、内容はわかったが、話を組み立てていくために、情報として知りたいのが、参加者の状況になります。企業でいえば、会社全体の社員が何人で、その講演会に参加するのが何人かから始まり、参加者のおよその感じを掴みたいのです。
もちろん、講演会などと言うと、依頼文を書く段階では、参加者を特定できないという事情もあるには違いありませんが、主催者としておよそどのくらいの人がどのように集まるかくらいは、掌握して連絡したいものです。
また、役職で言えば、トップクラスなのか、部長クラスか、課長クラスか、あるいは主任、あるいは無役中心なのか、ミックスであれば、クラス別におよその数字が連絡もらえると話し手としては、大変やりやすくなります。
年齢も同じです。ただし、年齢については、平均すると何歳という具合に書きがちですが、これではイメージが湧きません。年齢の平均というのは、参加者のばらばらの年齢を平均したものですから、つかめないのです。
大概が50歳位前後の大きなコブとか、35歳の大きなコブがあり、それらを平均すると40歳などとなるわけですから、こればかりは平均で知らされてもイメージとして間違ってしまう恐れがあるのです。
できれば、30~35歳が00人で35歳~40歳が00人という具合に、5歳刻みでの年齢を知らせてももらう方が、キャッチしやすくなります。それに男女別を組み合わせるとか、役職別も組み合わせたマトリックス表示で工夫するとかすると、講師はなお一層助かります。
講師の考えの引き出し
ここまで書き方に注意すれば、およそのことは合格ですが、なお付け加えたいことがあります。これまではどちらかと言えば、どんなに丁寧に文書にしても、中身的には依頼する方の一方的な内容になっています。
講演を引き受ける方としては、そういうことであれば、このようなことも話した方がいいのではないかとか、別の視点でのヒントも提供できることがあるとか、最近引き受けて講演した経験から、こういうことがどこでも問題になっているとか、こんな取り組みをしているところが多い、あるいはこんな傾向が顕著になっているというようなことを盛り込みたいというようなことがあるのです。
そして、そのことをお話しいただくと、講演を依頼した本来の目的に大きく貢献してもらえるということに結びつくことが存外多いのです。ですから、一方的に講演内容をお願いしてお終いにするのではなく、「なお、先生のお考えを拝聴させていただき、内容についてもさらにアドバイスを頂戴したいと願っております」とか、
「ご都合のよろしいときにお声をかけていただけましたなら、お打ち合わせにいつでもすぐにお伺いいたします」というような言葉で、余韻を持たせておきたいのです。講演依頼文は、依頼する方がお金を払うのでお客様の立場には違いありませんが、お招きするといことからすると、講演者がお客様であり、お客様のお気持ちを大切にする、顧客志向をないがしろにはできないのです。
依頼文の書き方など色々な書き方は下記の記事も凄く参考になります♪
タイトル:出演依頼書の書き方
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