看護研究の目的の書き方

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  1. 1.看護研究が盛んな背景と諦める原因
  2. 2.看護研究の大まかな書き方
  3. 3.看護研究の書き方の中でも難しい「目的」
  4. 4.「目的」を書くことが出来たら

 


看護研究が盛んな背景と諦める原因

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看護師の多くの方が臨床経験の中で、様々な疑問を抱き、その困難な問題に対してどのように克服するかがテーマとなります。その疑問を解決するという動機を持って大学院などに通い、看護研究を進めていく人は近年多くなっています。

 

実際日本看護協会の方針として看護師の高学歴化が述べられており、大学院などに通うことをサポートしてくれる病院なども増えていて、看護研究を行いやすい環境づくりは少しずつではありますが、進んできています。しかし、そのような環境は整備されているものの、看護学という学問は非常に新しく、他の研究分野に比べて確立されている手法が少ないという現状があります。

 

そのため看護研究はとっかかりが難しく、どのような手順で進めていけばよいかが分かり難いという事になりがちです。実際どのような書き方で行えば良いのかわからないケースも珍しくなく、結局妥協してしまって研究結果として報告すること無く終わってしまう事が後を絶たなくなっています。

 

しかし、貴重な意見である疑問の解決を諦めてしまう事は個人が利益を損失しているという事だけではなく、看護界全体にとって勿体無い事と言えます。新たな技術や方法、患者の心理状態の把握のためには研究は不可欠な物だからです。そのため、是非とも看護研究を進めていき、看護の質をより向上させていかねばならないといえるでしょう。

 


看護研究の大まかな書き方

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看護研究はそのほかの学問の論文と基本的には同じ流れの書き方となります。はじめの項目で研究の動機を述べるとともに、テーマに対する関心や重要性を提起し、既存の研究に対しての問題点や状況を述べます。それらを元に目的を定め、実際行った結果、どのようにして看護に影響があるのかを考えて研究の方法を述べます。

 

そして、得られた結果を元に、基準を設けた上で分析し、そのデータにどのような意味があるのかを判断し、考察します。そしてそれらを元にしてまとめ・今後への課題を書き綴っていくのです。この中でまず時間がかかる工程はやはり先行研究の調査でしょう。これは、世界の論文を読まなければならない事も珍しくありません。

 

看護研究は日本以上に欧米で進んでいますので、英語論文などを取り寄せて批評する事が必要となります。勿論、欧米とは生活背景などが大きく異なりますし、医療サービスの形態が異なっていますので、海外で研究されているから良いのではなく、我が国に当てはめた研究にするにはどのような方法が適しているかといった事に着目する必要もあります。
 

また、地域性も大きく看護に影響しますので、どのような方法にするかといった事を重視しつつ批評していく事が重要となります。ただ、看護研究においては先行研究についての工程以上に難しく、また大切となるのは動機や目的の項目です。動機は基本的に看護実践の中で生まれてくるものですので、素直に書けばそれで良いのですが、一方の目的を見出すことが中々難しいケースが多くなっています。

 


看護研究の書き方の中でも難しい「目的」

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前述したとおり、看護研究を進めていく中で最も書き方が難しいのは「目的」と言えます。目的さえ書く事ができれば、後は比較的簡単に計画は進んでいきます。なぜその研究をしたいのかという事を考えられなければ研究を行う意味が無いためです。

 

その理由として多くの方の根底にあることが看護実践の中で感じた疑問点の解消ではないでしょうか。事実、看護研究を進める事例の中で、実践時に感じた疑問が研究の動機となっているためです。ただ、疑問点の解消だけを目的とするのは甘い論文となります。

 

看護研究の大前提として、研究を行うことで看護の質がどのように向上するのかという事があります。例えば患者像の理解が進めばより深い心理状態のアセスメントを行う事に繋がりますし、看護技術の改善点を見いだせれば提供する看護の質を単に向上させるだけでなく、学校などでの指導内容に大きく影響する事になります。

 

このように看護の質に対して様々なメリットがあると想定できなければ、仮に看護実践の際に生じた疑問点であったとしても看護研究には成り得ません。看護を行う中でその問題を解決する事ができればより良い看護を行うことに繋げられるのではないかという事が最も重要なポイントと言えますので、目的を疎かにすること無く、しっかりと考えて書き上げる事が大切です。

 


「目的」を書くことが出来たら

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目的さえ書ければ比較的進んで行くと述べましたが、勿論様々な点で気をつけなければなりません。まず、研究を行うにあたって対象者はどのような層とするかも大切です。これは目的にも関わってきますが、例えば小児看護であればどの時期の児童を対象にするかによって児童のコミュニケーション能力が大きく違いますし、求められる看護も異なってきます。

 

また、罹りやすい疾患が変わってきたり、生活の中で得られる経験などにも差があります。そのため、対象を絞るという事は目的を定める段階だけでなく対象者の選定時にも気を付ける必要があります。また、看護研究を行うにあたってはインフォームドコンセントを遵守する事が重要視されます。

 

研究者は研究を行う人間というだけでなく医療職としての役割も担わなければなりませんので、当然倫理的な配慮は必要です。研究をやめて欲しいという希望があればすぐに辞めてよいという事を書面で伝え、個人が特定されないような形での利用に限定する事を約束しなければなりません。

 

また、研究方法の妥当性と、研究によって得られたデータの解析方法についても検討が必要です。論文の中にはどのような形でカテゴリー分類を行っているのかが分かり難いケースも有りますが、カテゴリーの分類については誰もが同じ形で行えなければなりません。誰が見ても同じ検討方法に行き着く事が重要です。

 

そのような過程を経て、初めて研究を実際に行うことが出来ます。看護研究は非常に難しい壁を何度も越えなければなりません。しかし、その困難な問題を解決することによって、看護の質に大きく寄与する事になりますので、諦めずに取り組んで見ては如何でしょうか。

 

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