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武士の時代のように由緒正しき家にあるような家系図は、一般の家では見ることはなくなりましたし、自分の祖先がどのような暮らしをしていたのか、どんな人だったのかということは、あまり気にとめない時代になりました。
家系図の本来のあり方とは
武士の時代のように由緒正しき家にあるような家系図は、一般の家では見ることはなくなりましたし、自分の祖先がどのような暮らしをしていたのか、どんな人だったのかということは、あまり気にとめない時代になりました。そこには同和教育などが行き届き、昔ながらの格付けによりさまざまな差別を受けてきた人がいました。
結婚できなかったり就職できなかったりと、大変苦労してきた人も多かったのです。そういった差別のない世の中にしていこうという風潮の中、相手の出生を探ったり自分のルーツに関して詳しく調べたりすることがなくなったからです。家系図がなくても生活していけますし、先祖がどんな人であろうと自分と祖先とはつながりはあったとしても、直接的な関係性は薄れているといってもよいからです。
とは言え、いまだに昔ながらの家柄を大事に守っている家族がいます。「このご時世それは間違いだ。」ということは言えません。なぜなら、代々受け継がれてきた文化的伝統を受け継ぐのは、子孫である人々の努めでもあるからです。そのために家系図が必要であり、それに基づいた暮らしをしている人々もたくさんいるのです。
何も教科書に載っているような著名人の子孫に限ったことではありません。伝統芸能として受け継がれている歌舞伎や狂言などもそうでしょうし、伝統工芸品を作り上げている人々もそうでしょう。ですから一概に、家系図が差別を生むということではなく、人々がどのように感じ受け止めるかが大事なのです。
人を判断する材料とは
家系図は自分の祖先を知る意味でも重要なものであることは間違いありません。誰しも自分の出生については知りたいと思うでしょうし、ましては自分の祖先がどんな人だったのか気になるでしょう。しかし間違っても、家系図を見てその人を判断することはあってはならないのです。あくまでも祖先は先祖であり、大事なのはその人自身であり、今の生活や生き方が大事なのです。
しかし残念なことに家系図が原因で離婚に結びついてしまう人たちもいます。結婚したのはいいけれど、嫁いだ先は昔ながらの由緒正しい家柄で、自分の出生を調べられたあげく家柄に傷がつくといった理由から離婚しなければならなかったり、婚約までたどり着いたものの家柄を調べられ、婚約破棄になってしまったという人たちもいたのです。
あまりにも理不尽な感じもしますが、「家柄を守らなければならない、自分たちは選ばれた人間なのだ。」と勘違いしている人々が今なおこの世の中に存在していること自体残念な気がします。そこまでして守らなければならない家柄とは一体何なのか、若い二人を引き裂かなければならない理由とは何か、一般人には到底理解しがたいことがあるのも事実なのです。
家系図には誰と誰が結婚して、その間に誰が生まれたのか一目でわかるような仕組みになっています。ですから、ぱっと見ただけで子どもが何人いたのかわかるようになっていますし、養子縁組した場合はそのこともきちんと記載されています。昔は実子でなくても実子のように記載さえている場合もありました。
離婚した場合の家系図の書き方
ですから本来そこで、家系図から家柄をとやかくいう意味合いからはずれているとも言えるのです。家系図に家柄の釣り合わない人を記載したくないといった理由もある反面、離婚すれば家系図に傷がつくといった考え方の人もいます。離婚すれば家系図の夫婦の二重線でつながっていたところにバツ印を書くのが正しい書き方のようです。
離婚すれば当然その婚姻事態がなくなりますから、当然のようにバツ印がついてもおかしくありません。生まれた子どもたちにとっても、親が離婚し家系図にそのことが記載されるのであればかわいそうだからといった理由ならまだしも、中にはそういった汚点を残したくない、自分たちの代でそういうことがあったことを認めたくないという理由から、離婚に反対する家庭もあります。
例え離婚したい原因が、男性側にあったとしても家柄に傷をつけないがために、嫁が我慢しなければならないといったケースも度々見られ、すでに夫婦の関係は破綻しているも同然なのに離婚できないでいるケースもあるのです。家系図の存在が結婚の邪魔をし、離婚の妨げになっている事実があること自体、
今の世の中では信じられない気がしますが、実際家柄を守りたいという人も多く、子どものうちからそういった教育で育ち、嫁いできた嫁に姑が教え込んで次につないでいくというのがしきたりになっている家庭もあるのです。前もってわかっているのなら別ですが、結婚してから初めて教えられたという人にとっては負担に感じる人もいることでしょう。
家柄よりも二人の問題です
しかし家柄などは自分の代で終わらせる事ができないというのが厄介です。現在もなお、生まれてくる子どもは女の子より男の子を望む人がいることも事実ですし、将来の跡継ぎを優先する人がいるのも事実です。自分では「おかしい、これは間違っている。」と思っても逆らえないこともありますし、近い将来自分も同じような道をたどるとも限りません。
そもそも家系図とは、それを使って人を判断したり、その人の生き方を左右したりするものではありません。自分の祖先を敬い大事にする気持ちが一番であり、それを自慢したり勝手に格付けをしたりすること自体間違っているのです。家系図に離婚の印が書かれていても不思議なことではありません。それがありのままの真実でもあるのです。
そうやって人々はみな次の世代へバトンを渡していくものなのです。ほとんどの人たちが家系図を気にしながら生活していることはありません。むしろ自分の家系図を目にすることのない人がほとんどでしょう。しかし祖先が私たちの先祖であれ、私たちが現在この世に生まれ、この世に生きていることが大事なのです。
仮に由緒正しい家柄であったとしても、離婚したことがマイナスとは限りません。その家系にとっては離婚したことがプラスに働くことがあるかもしれないのです。また無理矢理離婚させたことがマイナスにつながることもあるでしょう。ですから大事なのは本人たちの気持ちであり、周りがとやかく言う筋合いではない時代になってきているのです。