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書というものは、実用性だけでなくそこに美しさを見出す芸術性を兼ね備えているものです。日本においては、古く中国から伝わった漢字から始まり、奈良時代頃には写経が盛んに行われていました。
美しい文字で表現する書の道
書というものは、実用性だけでなくそこに美しさを見出す芸術性を兼ね備えているものです。日本においては、古く中国から伝わった漢字から始まり、奈良時代頃には写経が盛んに行われていました。その後、平安時代には漢字から派生させた仮名文字で書道を発展させてきました。平仮名の登場により、書道文化はますます根強いものになってきます。
平安時代初期の日本三筆と言えば空海・橘逸勢・嵯峨天皇の3人が挙げられます。日本歴史上、最も優れた書を書くことでよく知られています。それまで中国文化が根強く残っていましたが、この頃から日本独自の様式が生まれるようになってきました。和歌などにも平仮名を使用することも増え、かな書道の始まりと言えます。その後は鑑賞としての書、芸術としてのなど様々な様式が生まれてきます。
江戸時代頃には庶民にも書が浸透してきました。丁寧な文字を書くことが一般化し、全国の寺子屋などで書を学ばれるようになってきます。こういった歴史の流れ上、日本は特に美しい文字を書くという文化が根強く残っています。小学校でも早くから書道学習が取り組まれており、鉛筆やペンが主流になった今でも毛筆の重要性は衰えていません。
学校だけでなく、幼少の頃から書道教室などに通っていた経験のある方も少なくないでしょう。美しい文字は非常に高印象を与えるものです。近年の美文字ブームに伴い、自分の文字を見直す方も増えてきたようです。その為、最近では大人になってから改めて書道教室に通い始める方も多くなってきました。
書道に必要な道具について
書道に必要な道具は、筆、墨、硯、紙が基本です。特に筆は美しい文字を書くのに非常に重要になってきます。持ち手の太さ、長さはもちろん、毛質や毛の長さもそれぞれ異なりますので、それぞれの特性を考慮して選ぶことが大切です。墨は既に墨汁になっているものもありますが、自分で墨を磨る方も多くいらっしゃいます。
よく言われるのは中国製の墨は中国製の硯、日本製の墨は日本製の硯で磨るのが良いとされています。産地によっての相性もあるので、こういった点にこだわってみるのもいいかもしれません。紙は墨との相性が如実に表れるものです。書きたい文字のイメージで使い分けるのはもちろん、墨の滲みなども考慮して選ぶようにすることが大切です。
これら以外にも下敷きや文鎮などの道具も用意しておきましょう。文鎮はある程度の重さがあるものの方がお勧めです。中には筆置きと兼用になっているものなどもありますので、使い勝手の良い物を選んで下さい。水挿しや、墨バサミなども必要に応じて用意しておくと便利です。使い終わった道具はきちんと手入れをすることも大切です。
筆や硯は傷めないように十分に注意して丁寧に洗いましょう。洗い終わったら日陰で十分に乾かしておきます。筆は吊るして乾かしておくと、穂先が傷みにくくなるのでお勧めです。使い続けた硯にはニカワや松ヤニなどが付着してしまうことがあります。そうなると墨がきれいに磨れなくなってしまいますので、硯専用の泥砥石を使用してきちんと磨いておきましょう。
きれいな文字を書くには
文字を書く際には、心を落ち着かせ、きちんとした姿勢で書に向かい合うようにしましょう。正しく筆を持ち、ゆっくりと丁寧に書くことが大切です。手本があれば、じっくり見比べながら臨書していきます。初めてで慣れない内は手本を敷いて、上からなぞってみるのもお勧めです。文字には流れというものがあります。
筆を運ぶのに大切なのは、文字の流れを意識して書くことがポイントになります。正しい筆順で書くのがきれいな流れを捉えるコツです。筆にはしっかりと墨をつけ、一文字書き終わるまで筆を止めたり、墨を足したりすることは控えましょう。一定のリズムで書き続けることも大切です。強弱をつけることによって文字の印象がまたガラリと変わります。
トメ、ハネ、ハライをしっかりと意識しながら筆の穂先だけでなく腕全体で強弱をつけるようにすることがポイントです。筆の強弱を練習するには、まずはいきなり文字からトライするのではなく、ただの直線や丸などの記号などを書いてみるのもいいかもしれません。使う筆によって毛の柔らかさが異なりますので、力の入れ方も工夫が必要です。
また、漢字と平仮名を交える場合、漢字の方を若干力強く、大きめに書くと文字にメリハリが付きやすくなります。逆に平仮名は柔らかさを出すためにあまり力まずに書くようにしましょう。書全体のバランスも大切です。文字の大きさだけでなく、紙の使い方にも工夫をするようにしましょう。どのように余白をとるのかでも、作品の印象は大きく変わってくるものです。
文字の種類によって書き方が変わる
一口に漢字といっても、主に篆書・隷書・楷書・行書・草書の5つの書体が存在します。目的によってこれらの文字は使い分けられ、同じ文章を書いたとしても書体が異なると昨日の印象は全く違うものになります。これらは筆順や字画も異なりますので、書き分けるためにはそれぞれの書き方を覚える必要があります。
一般的によく使われるのは楷書ですが、これは日常で使用されている文字です。行書は楷書を少し崩した文字で、さらりとした書き続け跡が残る文字です。若干楷書とは筆順が異なることもありますが、大きくフォルムが変わるわけではないので比較的書きやすい文字といえるでしょう。草書は字画自体の省略が入るため、行書より難しくなります。
文字ごとに省略の仕方が異なるため、それらを覚えておかなければ書くことはもちろん、読むことすら困難な文字です。膨大な数があるため、一つ一つ覚えていくのは大変ですが、手本としっかりと見比べながら何度も書き続けていく内に崩し方のコツや決まり方もなんとなく把握できてくるものです。そもそも草書体は漢字を早く書くために作られた文字ですので、リズムよく書き続けていくのがポイントです。
まずいきなり草書体から書き始めるのは至難の業です。楷書体から練習し、そして行書体、草書体へと移行していくようにしましょう。大型書店などの書道コーナーなどにはこの3つの書体を比較するための千字文などが販売されていることがあります。それぞれの文字が並んで掲載されているので、覚えやすくてお勧めです。