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影の色は、何色なのでしょう。大抵の場合は、影というと、黒か、ほとんど黒のような灰色をイメージする人も多いかもしれません。確かに、どのような場合も多いといえます。
影の本当の色は何色か
影の色は、何色なのでしょう。大抵の場合は、影というと、黒か、ほとんど黒のような灰色をイメージする人も多いかもしれません。確かに、どのような場合も多いといえます。しかし、本当にリアリティを追求したいと思うなら、全ての影の色を黒などのモノトーンにしてしまうと、なぜか、絵の全体的な印象に違和感を覚えてしまったり、
どことなく不自然な印象をもってしまうことにもなりかねません。その理由を解き明かすためには、何よりもまず、被写体をじっくりと観察してみることが必要なのです。例えば、色付きのセロファンを光にかざしてみると、それを通した光にも色がついていることが見てとれます。ステンドグラスも同じようなことです。
光を通して、その先の空間にも色がついているように見えることで、幻想的な魅力にあふれたものになっているのです。ステンドグラスなどの場合は、透明に近いことから、明るい状態で色もはっきりと分かるのですが、物体の影というのは、ほとんど光を通さない物の後ろ側に現れるものですから、ステンドグラスのように、
はっきりとした色が分かる訳ではありません。しかし、元になっている物体の色にも、影響を受けることはあるわけです。また、天気の良い日には、青空を反映したり、床の照り返しを反映したりと、様々な条件が複雑に絡み合って生まれているのです。ですから、色付き影を書こうと思ったときには、単純に黒一色やモノトーンと考えるのは適切な書き方とは言い難いでしょう。
グラフィックソフトで色付き影を作成する
パソコンでグラフィックソフトを使って、イラストを書いたり、写真を加工したりする場合にも、リアリティを出すために、影はとても重要な要素といえるでしょう。特に、色付き影を適切に設定できるか、できないかによって、作品の質にも影響が出てきますので、暗い部分の書き方は慎重に行いたいものです。
パソコンのグラフィックソフトを使えば、比較的簡単に、思った通りのものを付けることも可能になってきます。それは、影というのは、同じように見えても、微妙に色が異なるものですが、その微妙な色の差までを、グラフィックソフトを使えば、数字という分かりやすいかたちで、設定することができるからです。
そのような状況は、次第に明度や彩度といった要素を低い値に近づけていくことで再現できるわけですが、人の感覚では、そのような違いは不確かなものといえるでしょう。作業している部屋の照明によっても、差が生じる可能性がありますし、屋外で書く場合と屋内で書くのとでは、その環境光がまったく異なるので、どこにいても、同じ色を出すことは、難しいことでもあるのです。
しかし、そのような場合でも、グラフィックソフトを使うことで、数値を覚えてさえいれば、いつでも同じ状況のものを書くことができるのです。また、3Dグラフィックを作成できるようなソフトでは、自動で色付き影を生成してくれる便利なものもあります。そういったものを参考にしながら、自分の絵にも取り入れてみるのも、勉強になることかもしれません。
絵具で色付き影を表現する場合
絵具などを用いて、色付き影を書く場合には、本物をじっくりと観察することが大切です。観光地などで、トリックアートの美術館が人気を得ていますが、絵具だけで、平面の場所に立体的に絵を書いたり、まるで本当に飛び出しているかのような作品に仕上げることが出来るのは、まさに、色付き影を上手に利用していることによるものなのです。
トリックアートのようなリアリティを追求した絵を書く人は、本物の質感を大切にするだけでなく、実際に、その絵が展示される場所のライトの明かりの下で、色付けの作業を進めることによって、自然に近い影の色を作りだしていくのです。その絵を実際に書きながら、その時に自分が受けている光によってできた、暗い部分の色と同じになるように、色を作りあげていきます。
そうすることによって、作品が完成した時に、まるで立体の建物が存在しているかのようなリアリティの高い絵になったり、巨大なサメが口を開けて飛び出してきたかのような、迫力のある作品に仕上げることが可能になってくるのです。このように、絵具を上手に使いこなすことで、2次元の空間を超えて、3次元の世界も作り上げることができるのが、
影の持つ魅力であるといえるのです。ただし、リアリティを出すには、ほどよく自然な形でグラデーションを付けていったり、自然にフェードアウトするような手法も必要なので、技術的に練習が必要ともいえます。自分なりに様々な手法にチャレンジして、より魅力的な作品を書いていきたいものです。
さまざまな色付き影の書き方
色付き影の書き方には、特にこれといった決まりがあるわけではありません。もちろん、リアリティを追求することも、2次元的な絵の可能性を広げる意味でも、とても大切なことでしょう。2次元の世界のはずが、3次元であるかのように、まるで魔法のような驚きを見る人に与えることができるのです。
でも、そのように光が当たりにくい部分というのは、どうしても、裏方にまわってしまうことがほとんどです。本当は、その光があまり当たっていない部分にも、世界があるのです。ですから、その世界の微妙な変化を丁寧に表現していくことで、面白味のある、絵に仕上がっていくともいえるのではないでしょうか。
その部分を良く観察してみると分かることですが、所によっては、床を反射していたり、その場所によって同じ素材でも色が変わっていることに気が付くはずです。本物の世界とは、そのように至るところが微妙に異なっている物の集まりなのです。それを、一色や二色の濃淡で塗り分けようとしても、リアリティがでる訳がありません。どうしても、違和感のある仕上がりになってしまうものです。
ですから、もし、お天気の良い屋外を描いたものであれば、その光の当たらない部分にも、少しだけ青空の色を混ぜ込んでみると屋外のすがすがしさが表現できることでしょう。また、夕焼けの時の様子なら、少し、夕日の色を足してみると、また一味違った、温かみのある絵になるに違いありません。色鉛筆やパステルなどの画材を使って、色を重ねていくのもおすすめです。