「ご笑納」の意味と例文と書き方

「ご笑納」は、贈り物をする時に、「粗末な品ですが笑って納めてください。」という相手に対してへりくだる謙虚な気持ちを表現する言葉です。

 

この言葉を使う時は

たとえば、例文で紹介しますと「先生のお好きなお菓子をお送りしました。どうぞご笑納ください。」「写真集が完成しました。ご笑納ください。」「自作の茶碗ですが、ご笑納いただければ幸いです。」「感謝の気持ちをこめてお贈りします。つまらないものですが、ご笑納いただければ幸いです。」というように使います。

 

しかし、この言葉は、目上や目下に関係なく平気で冗談を言えるほどに親しい相手だけに使うものです。それ以外のかしこまった関係の場合に、使うと「粗末な品ですが笑って納めてください。」という意味合いが単に軽薄で失礼な印象を与えてしまうことにもなるからです。

 

失礼な印象を与えてしまうとなると、ビジネスの世界ではそのような態度を取ると社風にも影響が出てしまう可能性すらあります。そのため、ビジネスレターでは例外を除いてはほとんどの場合、使わない方が良いとされています。

 

また、近しい関係の親戚であっても自分よりも目上の方の場合には、要注意することが必要です。「ご笑納」という言葉には、素敵な日本人らしい謙虚な言い回しをしている内容がこのように含まれているわけです。

 

笑納という意味には

「つまらないものですが、笑ってお納めください」という意味があるので、贈り手が受け手に対して笑って納めて欲しいという真心が込められている奥深さがあります。

 

この言葉は、実際に会話で用いることはほとんどない言葉です。実際に会話にしてみると「ショウノウ」とは何の意味だろうという程度の反応になります。それほどに書面で使われている言葉として定着していることが分かります。

 

たとえば、ビジネスの世界で自社の製品へのお礼や好評をいただいたお客様に対しても、お礼状を書く際に最後に「ご笑納ください。」とつけても悪くはない印象になります。

 

しかし、自社のサンプルを送付した場合、「つまらない粗品です。」とへりくだり過ぎることで、お客様に取ればその会社はそんな風に自社への自信がないのだろうかというような誤解をも招く可能性も起こって来ます。

 

その懸念があるのであれば

親しい相手ではなくビジネスの世界でのお客様とのやりとりであれば、「ぜひ、一度お試しいただければ幸いです。」という言い回しが適していると言えます。

 

こういう風に、送った品物に対してストレートにお客様に使っていただきたいという気持ちを伝えるのも、ビジネスの世界ではそれが最適になりますし、受け取ったお客様も試してみたいという気持ちを抱いてくれるようになるでしょう。

 

具体的には、「貴方の大好物だと知りほんの少しですがお菓子を同封しましたので、ご笑納ください。」というように、送った品物を書く時に用いることが多くなっています。

 

「笑納」を使う時というのは自分が相手のためにお礼やお詫び

近況伺いなどで贈りたいという気持ちになった時にその品物に添えて贈ったり、あるいは、品物だけを宅配で送って同時期にハガキや封書で手紙を送る、あるいは、メールで連絡をするというケースが多くなって来ますので、その品物に対してただへりくだるだけではなく、相手の気持ち、嗜好、喜んでくれるであろう品物を自分なりに選らんだ経緯があるわけですので、文章に品物のことを書いても勿論失礼には当たりません。

 

しかしながら、選んだ品物に対しては、「お好みのものだと知りましたので」とか「趣味で焼いている器ですので」という程度の説明で充分です。あまり長すぎる説明が入ると相手に対して負担をかけてしまう可能性が否めません。

 

品物に対する簡単な説明を加えると

相手も趣味で作ってくれたものだったのだと品物を見なおしたり、あるいは、大好物のお菓子を覚えてくれていたんだと嬉しい気持ちになったりします。

 

品物を送るというのはこうした短い情報を添えることで、真心が相手により伝わりやすくなるのです。それだけ親しい相手だから相手の好みや嗜好を知っているということになります。

 

品物の説明を簡単に終えた後には、「ご笑納ください」「ご笑納いただければ幸いです」で結ぶと謙虚な気持ちがそれだけで伝わるのです。日本語にはこんなにも書面で相手への気持ちを伝える言葉があるのです。

 

ストレートに「召し上がって下さい」「お試しください」だけで終わると何となく相手への押しつけのようになります。「笑納」という言葉にも「笑」「納」と文字にも和やかさが伝わる物から構成されているので、書面の最後に書くことで相手への配慮がうかがえる素晴らしい文章になり引き締まります。

 

それと同時に受け取った相手も、早速、頂いてみようとか使ってみようという気持ちになるのでそれだけ親しい相手ならではの空気感が自然に生まれて来るようになります。ぜひ、意味と例文を把握した上で使ってみるようにしてみましょう。

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