強制認知:認知届の書き方
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認知とは
婚姻関係にない男女の間に生まれた子供は、非摘出子といい、この非摘出子と父親には血縁上の親子関係しかなく、法的な親子関係はありません。法的な親子関係がないために、相続権も発生しません。法的な親子関係を発生させるもの、それが「認知」となります。
父親が認知をした場合、父親の名前がその子供の戸籍に記載されます。同時に父親の戸籍にも記載されます。また認知すれば親族になるので、扶養控除が可能となります。胎児認知をしていれば、たとえ婚姻関係がなくても父親の欄に最初から名前は記載されますが、認知届を出しても子供の姓や戸籍に異動はなく、母親の姓を名乗り母親の戸籍に入り、親権も母親にあります。
また認知していても婚姻していなければ非摘出子のままなので、父親は出生届の届出人にはなれません。もし非摘出子が父親の氏を名乗りたい場合は、認知をした上で、家庭裁判所への「子の氏の変更許可」申し立てを許可してもらう必要があります。認知届を提出しても、子供の親権は母親のままですが、父母が協議のうえ「親権管理権届」を提出すれば、父親を親権者とすることができます。
歴史的にみると、明治から大正時代にかけては、出生数に占める非摘出子の割合が、8~9%もありました。年間10万人を超えていたのです。しかし昭和10年代からその数は減少し、昭和30年代には激減し、1%台となりました。ですが、2011年には約23000人となり、出生数全体に占める割合も2.2%に上昇しています。
戦前の旧戸籍法では、「家」の存続が最重要視されており、跡継ぎになる男子が求められていました。今では考えられませんが、夫が妻以外の女性との間に子供をもうけることが、社会的に公認されていた時代だったので、父親が認知した婚外子の男子は、摘出子の女子よりも相続上の優先権があったのです。
父親が認知しないとき
未婚の男女の妊娠が分かったとき、お互いに結婚する意志が明確なら婚姻届提出で済みます。しかし、男性の方に結婚の意思がない場合は、認知をしてもらう必要があります。認知には「任意認知」と「強制認知」の2種類あります。
・任意認知は、父親が認知届を出すもの。
・強制認知は、任意認知がない場合、子から父親に対して行うもの。
強制認知は、仮に父親が認知しなくても、父親の意思にかかわらず子どもから強制的に認知手続きが可能です。
具体的にどうやって強制認知をすればよいのでしょうか。まず家庭裁判所に認知を求める調停申し立てを行います。この調停の段階でDNA鑑定を行う場合もあり、父と子の間で合意した場合は審判が行われ、認められれば認知となりますが、父親が合意せず、調停が成立しなかった場合には、裁判で判断されます。
一般的に調停不成立となった場合、家庭裁判所に対して裁判を求め、DNA鑑定も申し立てます。このDNA鑑定で、生物学的に父子関係が認められれば、認知が認められます。ですが、父親がDNA鑑定に応じない場合もあり、その場合は尋問等で得られた証拠をもとに裁判所が判断します。認知の訴えは父親の生存中はいつでも可能ですが、死亡後は3年以内と決まっています。
裁判所内で行う親子鑑定を公的鑑定と言います。これに対して裁判所以外で任意にする方法を、私的鑑定と言います。公的鑑定にかかる費用は約10~15万円、私的鑑定の場合は約3~7万円程度です。公的鑑定の場合、DNA鑑定業者が裁判所に出張し裁判所の中で行います。方法は、父・母・子の口の粘膜を採取するものです。
一方私的鑑定は、業者の方へ出かけて採取する方法と、郵送で送られてきた採取パックに自分たちで採取して送る方法があります。胎児のDNA鑑定は、妊娠10週を過ぎたころから可能です。この場合鑑定は私的鑑定になります。このとき母体にも影響を与えるため、医師と慎重に協議してから実行する必要があります。また男性に妻がいる場合、つまり不倫の場合は、認知させることは可能ですが、相手側から損害賠償を求められる可能性もあるので、慎重に行う必要があります。
男性が認知を拒むには、以下のような理由があります。
・養育費の支払い義務が発生する
・妻子がいる
・相続権が発生する
・無責任
認知届の書き方
氏名・生年月日
認知される子供と認知する父親について戸籍に記載されている通りに記入します。
認知される子供については、男か女か当てはまるものにチェックを入れます。
生年月日の欄は、西暦で記入せず元号で記入します。
住所
認知される子供と認知する父親について記入します。
住所登録をしているところを記入します。
世帯主の氏名も記入します。
本籍
認知される子供と認知する父親それぞれの本籍を記入します。
筆頭者の氏名は、戸籍謄本の一番最初に記載されている人の名前を記入します。
認知の種類
あてはまるものにチェックします。
子の母
あてはまるものにチェックします。
届出人
届け出る人が認知する父がその他か当てはまるものにチェックをいれます。
住所、本籍、筆頭者を記入し、署名して押印し、生年月日を記入します。
シングルマザーになる前にしっておくこと
結婚する予定だったけど別れてしまった。不倫なので結婚できない。今さまざまな理由でシングルマザーの道を選ぶ女性が増えています。日本では非嫡出子への風当たりはまだ厳しいものがあります。「養育費は払わない」「養育費はいらないからせめて認知だけでも」そんなやり取りがあったとしても、養育費は子供の権利です。
子供には養育費を受け取る権利があるのです。仮に養育費を払うと約束をしても、本当に払うかは怪しいものです。約束を公正証書にしておくと、もしも養育費や慰謝料の支払いがストップしても、相手の財産に対して強制執行をかけることができます。もしシングルマザーになっても頑張って子供を育てよう。
そう思っているなら、お子さんは最強の味方だと思います。子供にとって母親の生きる姿勢が大事で、どのような環境でもまっすぐに立派に育っている子供がたくさんいます。シングルマザーであっても、誇りを持ち子供に事実をうやむやにすることなく、手を取り合って絆を深めることが大事です。子育ては大変ですが、きっと成人したときに母親の力になってくれることでしょう。
色々な書き方は下記の記事も凄く参考になります♪
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